2018年インディカーシリーズ最終戦グランプリオブソノマ(カリフォルニア)で2位に入ったスコット・ディクソン(チップガナッシ/ホンダ)が通算5度目となるタイトルを獲得した。またホンダは1-2フィニッシュでシーズン11勝目を挙げ、マニュファクチャラーズタイトルを獲得した。
ディクソンの5度目のタイトルはインディカーシリーズにおける最多記録に並ぶもので、5度のタイトル獲得を果たしているのは、これまでAJ・フォイトだけだった。
ディクソンの2018年シーズンは、17戦で3勝、6位以上が14回という安定したものだった。優勝回数の44回は現役ドライバーとしては最多で、インディカー史上では歴代3位にランクされている。歴代2位はマリオ・アンドレッティ(52勝)、歴代1位はAJ・フォイト(67勝)だ。
■最終戦ソノマ
レースはポールポジションからスタートしたライアン・ハンターレイ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)が完ぺきな走りで終始リードを保ち続け、今シーズン2勝目を飾った。85周のうちの80周をリードする完勝で、キャリア18勝目となった。
予選2番手だったポイントリーダーのスコット・ディクソンは、冷静な走りで優勝のチャンスを狙いつつも、タイトルを直接争う相手であるアレクサンダー・ロッシ(アンドレッティ・オートスポート/ホンダ)のポジションを睨みながらの走行を続け完璧に仕事をこなして、2位でフィニッシュ。見事5度目のタイトルを獲得した。
佐藤琢磨(レイホール・レターマン・ラニガン・レーシング/ホンダ)は12番手からスタートし、途中7位まで順位を上げたが、マシントラブルによりピットに戻ってレースを終えている。2018年ランキングは12位で終えた。
■ライアン・ハンターレイ(優勝 シリーズランキング4位)
「チームにとってすばらしい優勝となりました。クルーたちがすばらしい仕事をしてくれました。マシンは最高でした。最終戦で勝てるのはうれしいことです。信じられないほどうれしい。この勝利をロバート・ウィッケンズに捧げます。彼は今、レースでの負傷と戦っています。インディカーは一つの大きな家族です。私たち全員がロバートとともにあります。彼が今日、レースをしていたら、私をもっと苦しめていたと思います。
また、スコット・ディクソンのタイトル獲得を称えたいと思います。彼のパフォーマンスには言葉もありません。5回目のタイトル獲得です。驚くべき偉業です。彼と戦えていることを光栄に感じます。そして、今日彼を倒して優勝できたことを喜びたいですね」
■スコット・ディクソン(2位、シリーズチャンピオン)
「タイトル獲得はチームの人々のおかげです。ゴールラインを横切るラッキーな仕事を担当しているのは私ですが、彼らのハードワーク無しには成し得ないことなのです。チームオーナーのチップ・ガナッシのためにも、彼のチームのためにも、こうしてタイトルを獲得できたことがうれしくて仕方ありません。彼らには感謝をしても感謝し切れません。
チームメートのエド・ジョーンズも本当にがんばってくれました。新スポンサーのサポートにも感謝します。ホンダも驚くべき仕事をし続けてくれています。妻のエマ、そして家に残っている家族にも支えられています。
ライバルチームにも感謝したいと思います。ペンスキー、アンドレッティ、彼らとのシーズンを通して激しく戦いました。ロッシは見事でした。彼に今年は本当に苦しめられました。大きな才能を持ったドライバーで、今後多くのタイトルを獲得することになるでしょう。自分がタイトルをまた獲れたなんて、まだ信じることができません」
■アレクサンダー・ロッシ(7位、シリーズランキング2位)
「1ラップ目のアクシデントは、何が起こったのかまだわかっていません。マルコ・アンドレッティが早めにブレーキングをしたためなのか、自分の方が判断を誤ったのか。しかし、起きてしまったことは、起きてしまったこと。
ディクソンを逆転するのは、もともと非常に難しかったのです。今シーズン、私たち27号車は本当にがんばりました。最終戦がこのようなものになったのは残念です。ミスの後もチームは奮闘し、私に大きなリカバリーを達成させてくれました。ランキング2位という結果は悔しいものですが、来シーズンに向けて大きなものを築き上げることができたと思います」
■佐藤琢磨(リタイア、シリーズランキング12位)
「いいスタートを切れました。コース上でさらにポジションを上げることもできました。マシンはよく、作戦も的確だと感じていました。
しかし、残念なことにメカニカルトラブルでリタイアという結果になりました。シーズンをこのように終えるのは、一生懸命にハードワークを続けてくれているクルーたちにとっても非常に残念です。
2週間前、私たちはチームにとって大きなハイライトとなる優勝を飾りましたから、それは2019年シーズンに向けてもいい勢いをもたらしてくれるものと思います。
今日、私は来シーズンもこのチームで戦うことを発表できました。ソノマでの最後のレースはがっかりする結果でしたが、2019年シーズンに向けては好感触と、大きな期待を持っています。冬の間にマシンをさらに開発し、強くなって開幕戦を迎えます。チームのみんな、ありがとう。すばらしい1年でした」