元F1ドライバーのミカ・ハッキネンは、今年もフェラーリがF1タイトルを手にするのは難しいだろうと考えている。
今季はフェラーリF1マシンの方がメルセデスよりも速いと言われている。それにもかかわらず、現時点ではルイス・ハミルトン(メルセデス)がセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)を30ポイントもリードしている。
■ミスの差がポイント差に
1998年と1999年にマクラーレンで2年連続のF1チャンピオンとなったハッキネンはこれに関して自身の『Unibet(ユニベット)』のコラムに次のように書いている。
「メルセデスの方が大きなアドバンテージを持っているからルイスがその位置にいるのだとは誰も言えない」
「彼は素晴らしいレースの組み立て方をしているし、セバスチャン・ベッテルが犯したようなミスをすることもない。とりわけ、レースのスタート時にはね」
「だが、彼(ハミルトン)はバルテリ・ボッタス(メルセデス)との素晴らしいパートナーシップによって助けられてもいる」
■フェラーリのリーダーシップにも課題
ハッキネンは、その一例として第14戦イタリアGPでボッタスがハミルトンの支援役に徹したのに対し、ベッテルはポールポジションをとったチームメートのキミ・ライコネンとも戦う必要があったのだと語り、次のように続けた。
「スタートでライトが消えた瞬間から、フェラーリは2人のドライバーがお互いにレースをしていたのは明らかだった。その一方でメルセデスは協力し合っていた」
「あれは、土曜日の夜にキミとセバスチャンと話し合いをし、どういうレースにするかという計画を立てなかったフェラーリのリーダーシップと戦略の失敗だった」
■メルセデスのトラブルを期待するしかないフェラーリ
モンツァで行われたイタリアGP決勝では1周目のターン4でアウト側からオーバーテイクにかかったハミルトンにベッテルが接触。ベッテルはこれによりスピンしてしまい、フロントウイングにもダメージを負って最後尾にまで順位を落としていた。
ハッキネンは、フェラーリが今季のタイトルを狙うためには、残された7レースではもう絶対にミスは許されないと次のように付け加えている。
「ルイスを倒すためには、フェラーリは毎週末完ぺきな仕事をする必要があるし、メルセデスが何かトラブルを抱えることを期待するしかない」