FIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長が、F1が将来的にフル電動レースカーに変わってしまうことはないと語った。
近年、市販車においても化石燃料を使用する自動車に変わって電気自動車のシェアが拡大してきている。ヨーロッパの主要国は2030年から40年をめどに化石燃料を使う自動車の販売を禁止する方向も打ち出している。
こうした背景もあってか、F1モータースポーツ責任者を務めるロス・ブラウンが最近、F1も将来的にフォーミュラEのようにフル電動マシンに変わっていくことは避けられないとの考えを示している。
だが、トッドは、そのブラウンの見解は「ばかげている」と語り、次のように続けた。
「そんなことにはならないよ」
「この2つ(F1とフォーミュラE)はまったく違うレーシングシリーズなんだ。フォーミュラEはF1と同じようなスピードを実現することはできない。(フォーミュラEの)レースが市街地で行われているひとつの理由がそれだ。例えば、モンツァでフォーミュラEが走るのを見ても面白くないだろう」
「しかしながら」とトッドは続けた。
「フォーミュラEは開発がうまく進んでいる。今では1台のクルマでレース距離を走ることができるようになっている。このことは、モーターレーシングというのはショーであるだけでなく、研究室としての役割を担っていることを示すものだ」
そう語ったトッドは、次のように付け加えている。
「だが、フォーミュラEとF1を比較することに時間を費やしても退屈するだけだよ」