F1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)では、より見栄えのする新バージョンの“ハロ”を将来的に導入しようと取り組んでいるようだ。
今季からハロと呼ばれるドライバーの頭部保護システムがF1マシンに装着されている。
今季のF1第13戦ベルギーGPでは、決勝開始早々に複数台がからむ多重クラッシュが発生したが、その際フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)のマシンがシャルル・ルクレール(ザウバー)のマシンの上を飛び越えるというシーンが見られた。その後、ルクレールのF1マシンに装着されたハロにはアロンソのタイヤがぶつかったと思われる痕跡がくっきりと記されており、ハロが装着されていたことでルクレールが守られたのだと考えられている。
ハロに関しては導入に否定的な意見があるのも事実だが、このスパ・フランコルシャンでの一件により、ハロの効果を称賛する声が多くなっている。
ハロに関する批判的意見の大部分はその見た目の問題だ。
F1競技委員長を務めるFIAのチャーリー・ホワイティングも、ハロは「見た目がいいものではない」と認め、次のように付け加えた。
「それ以外の点では、我々は現在のハロに非常に満足しているし、ほかの選手権への導入も進めているところだ」
だが、ホワイティングはハロの外観をもっと改善する取り組みが行われていることを明らかにしている。
「ハロ4と呼ばれる新バージョンの開発にも取り組んでいる。だが、これはかなり長期的なプロジェクトだ」
そう語ったホワイティングは次のように結んでいる。
「現在のバージョンにはすでに5、6年を費やしてきている。そしてハロ4は恐らく新たなクルマに模様替えされる2021年に導入することになるだろう。目標は、もう少し外観をよくすることだよ」