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リバティ・メディアのF1改革に期待を寄せるミナルディの前オーナー

2018年08月02日(木)11:12 am

かつて2001年から2005年までミナルディのチームオーナーであったポール・ストッダートが、2021年以降F1が健全なものとなることを期待していると語った。

2001年にイタリアのF1チームであるミナルディを買収して共同オーナーとなったストッダートは当時からF1にはコスト削減が必要だと訴えていたと語り、オランダの『De Telegraaf(テレグラーフ)』に次のように続けた。

「その後2010年には4千万(ドル/現在のレートで約44億8千万円)を予算上限とする話し合いも行われたが、それも失敗に終わったよ」

確かに、F1チームのコスト削減や予算上限値設定に関してはこれまでもたびたび議論されてきたが、結局いつもなしくずしとなり、大規模自動車メーカー系のチームが小規模プライベートチームを圧倒する構造が継続されている。

現在の収益分配システムではコンストラクターズランキング順に賞金が分配される仕組みとなっており、F1チームによる資金格差は年々広がる一方だ。事実2010年にF1に新規参入したチームは現時点ではひとつも残っておらず、フォース・インディアもつい最近破産に陥ったことが明らかとなっている。

オーストラリア出身で現在63歳のストッダートも私財をつぎ込みながらミナルディの運営を続けていたが、結局2005年シーズン末にチームをレッドブル・レーシングのオーナーであるディートリッヒ・マテシッツに売却。同チームはその後トロロッソと名前を変えている。

今も公式2シーターマシンのプログラムに携わる形でF1との関係が続いているストッダートだが、近年のF1には否定的だ。

「2014年から今のハイブリッドエンジンが導入されたが、正直に言って私はごめんだね」

ストッダートはそう語ると次のように付け加えた。

「F1には3つのことが必要なんだ。運営可能なものであること、ビジネスとして成り立つこと、そしてエキサイティングなものであることだ。そして当たり前のことだが、理解するのが難しすぎるものであってはならない」

そのストッダートが現在期待しているのは、2017年にF1新オーナーとなったリバティ・メディアが2021年以降F1を正しい方向へと導いてくれることだ。

現在F1チームと統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、そしてF1商業権所有者の間には2020年まで有効なコンコルド協定が結ばれているが、2021年シーズン以降に向けてリバティ・メディアは技術ルールや収益分配システムを見直すとともに、F1チームに一定の予算上限値を定めることを目指しているところだ。

「2021年以降はこのスポーツにとって健全な状況が生まれていなくてはならない。もしリバティ・メディアがそれを実現できれば、我々には明るい未来が開けるだろう。チーム間に金が適正に分配されるならば、競争も本当に面白くなるだろうね」

そう語ったストッダートは次のような疑問で締めくくっている。

「だが、メルセデスとフェラーリがそれを望むだろうか?」

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