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ゲルハルト・ベルガー「F1は民主主義では運営できない」

2018年07月19日(木)18:54 pm

元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーが、F1はかつてのような独裁政治に戻る必要があると主張した。

1980年台から1990年台にかけてマクラーレンやフェラーリで活躍したベルガーは、現在DTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)の運営責任者を務めている。

■一番の問題はF1マシンそのもの

そのベルガーはドイツの『Bild(ビルト)』紙に、今では失望の念を抱きながらF1を見ていると次のように語った。

「サッカーではルールが変わることはない」

「私は意志決定者たちが重要な問題から目をそらして、自分たちには自分たちの意見があるのだと示そうとしているように思えるよ」

ベルガーが言う「重要な問題」とは主にF1マシンのことのようだ。

「まず、あまりにも重すぎるよ。次に、2つか3つの大企業だけでなく、より多くの会社が習得できその恩恵を受けられるテクノロジーであるべきだ」

「3つ目は、テクノロジーがすべてを決めるものであってはならないということ。そして4つ目は平均以上のクルマに乗っているドライバーであれば勝つことができなくてはならないということだ」

■どうなる?2021年以降のF1ルール

ベルガーは、現在のF1が抱えている問題は必ずしもオーナーのリバティ・メディアの責任ではなく、現在のコンコルド協定による制約のせいだとしている。

コンコルド協定とはF1オーナー、統括団体であるFIA(国際自動車連盟)、そして各F1チームの3者によって結ばれているものだが、現在の協定は2020年で満期を迎えることになる。

そして、現在すでに2021年以降に向けて、どういうF1技術ルールとするか、どういう収益分配方法にするかといったことについてリバティ・メディア主導により検討が開始されている。

だが、ベルガーは大規模メーカーたちがリバティ・メディア案に反対するなど、その話し合いもうまく進んでいないことを憂いている。

「私に言わせれば、最悪なのは決断が下されないことだ」

■F1には独裁政治が必要

そう語ったベルガーは、現在のエンジンメーカーたちが、ポルシェ、イルモア、あるいはコスワースといった新エンジンサプライヤーが参入し、シンプルなレギュレーションの恩恵を受けて少ない投資で簡単に勝利を得るようなことが可能となるルールの導入に反対するのは当然であり、この先も出口の見えない話し合いが続けられることになるのではないかと危惧(きぐ)している。

「エンジンに関する大規模メーカーの立場は理解できる。なぜなら、彼らが『もし新たなメーカーが参入しないのであればどうして(ルールを)変える必要があるのか?』というのは間違っていないからだ。それ(ルール変更)は余計に金がかかるだけだ」

「だから合意に到達することはできないんだ。ジュネーブやパリ、あるいはどこでやろうと、この終わりの見えない会議が収束することはないね。F1は民主主義では運営できないんだ」

そう語ったベルガーは次のように付け加えた。

「自分たちがどこへ向かうべきかについて1人か2人によって決定を下すことができる独裁制が必要だよ。現時点では、それは新オーナー代表のチェイス・キャリー(F1最高責任者)とFIA会長のジャン・トッドだね」

ベルガーとしては、かつてFIA会長のマックス・モズレーとF1最高権威の座にあったバーニー・エクレストンの2人によってすべてが決められていた時代の方がよりスムーズなF1運営ができていたと考えているようだ。

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