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クレア・ウィリアムズ「時には困難な決断を迫られることもある」

2018年07月18日(水)19:39 pm

ウィリアムズのチーム副代表を務めるクレア・ウィリアムズが、時として「困難な決断」を迫られることもあると語り、チーム管理体制の見直しに着手する可能性を示唆した。

■勢いを失ったかつての名門F1チーム

かつて9度コンストラクターズチャンピオンに輝いた実績を持つウィリアムズだが、近年はタイトルどころか2012年のF1第5戦スペインGPでパストール・マルドナードが優勝を飾ったのを最後に勝利からも見放されてしまっている。

さらに、メルセデスPUを得た2014年と2015年にはコンストラクターズランキング3位にまで復活したものの、2016年と2017年は5位に後退。そして今季はここまでにわずか4ポイントしか獲得できておらず、ランキングも最下位の10番手と低迷している。

1997年にウィリアムズ最後のF1チャンピオンとなったジャック・ビルヌーブは、ドイツのメディアに対してウィリアムズは事実上「死んだ」も同然だと発言したほどだ。

■「難しい決断」を示唆したクレア

F1関係者の中には、現在チーム副代表を務めているクレア・ウィリアムズと技術責任者でありチームの株主のひとりでもあるパディ・ロウの責任が大きいと考え、チームの管理体制に手を入れるべきだと考えている者も少なくないようだ。

そうした中、クレアは『New York Times(ニューヨーク・タイムズ)』に対し、2018年型ウィリアムズF1マシンは「かなりひどいものです」と認め、次のように続けた。

「もし昨シーズン中に誰かが私に来年はこういう状況を迎えるだろうと言っていたら、私は恐怖にかられていたでしょうね」

「私たちはこうなるとはまったく考えてはいませんでした。深い悲しみを経験させられているように感じています」

指摘されているチーム管理体制の見直しについてどう考えるかと質問されたクレアは次のように答えた。

「常にチームに目を配り、可能な限り効果的かつ効率的に運営できるようにする必要があります。そしてその結果、難しい決断をしなくてはならない時もあるものです」

■組織をいじる必要はないと技術トップ

だが、2016年シーズンまで最強メルセデスの技術トップの座にあったロウは、必ずしも組織に手を加える必要はないと考えているようだ。

「私の回りには何人か本当に素晴らしい人たちがいる。ある程度の強化は必要だが、素晴らしいチームとするための核はあるんだ。だから、我々は正しい方向へ変えていくためのスタート位置にいるのだと思っている」

■父フランクの信頼に応えたいクレア

だが、クレア・ウィリアムズにとってはもっと個人的な感情がからんでくるのは否めないところだ。

現在も名目上チーム代表の座にはあるものの、チーム設立者であり父親であるフランク・ウィリアムズは健康上の理由によりすべてのグランプリに帯同することはできない状態となっており、娘のクレアにすべてを委ねているのだ。

「父は本当に私を信頼してくれているのです。私は父が私にもう家に帰れと言うのではないかと常に心配しているんです。でも、父はそうは言っていません」

■今は自分の力を試しているところだとクレア

昨年の10月に初めての子供を出産したクレアは、本当であれば2018年は1年仕事を離れ、子供と一緒に過ごす計画をしていたという。だが、昨年からさまざまな問題を抱え続けてきたこともあり、その計画は延期せざるを得なかったようだ。

「今年は自分のための時間にして小さい息子や夫と過ごすはずでしたが、まだそれはできていません」

そう語った41歳のクレアは次のように付け加えた。

「私は本当にそうするつもりです。ですが、勝利することは簡単ではありません。成功するには自分自身から多くの力を絞り出す必要があります。そして、私の中にそれだけの力があるのかどうなのか、今は自分自身をテストしているところなんです」

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