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F1エンジンメーカー3社がMGU-H廃止反対で団結か

2018年07月13日(金)5:15 am

F1オーナーのリバティ・メディアが2021年から新しいF1エンジンルールを導入する計画を進めていることはすでに何度も報じられているとおりだ。

■MGU-H廃止を打ち出したリバティ・メディア

現在はPU(パワーユニット)と呼ばれているF1エンジンだが、MGU-H(熱エネルギー回生システム)とMGU-K(運動エネルギー回生システム)が主要コンポーネントとして組み込まれたハイブリッド方式エンジンとなっている。

中でも2014年から導入されたMGU-Hは最新技術を用いた非常に複雑なシステムであり、このMGU-Hの成熟度で大きくリードしたメルセデスが2014年から4年間にわたってF1タイトルを独占し続けてきている。

しかし、この複雑なMGU-HがあることでPUのコストが非常に大きくなっているとともに、新規のエンジンメーカーがF1に参入するのが困難な状況を作っていると考えたリバティ・メディアは、2021年以降このMGU-Hを廃止する方向性を打ち出している。そうすれば、アストンマーティンやポルシェなどがF1に参入してくる可能性を高めることができるわけだ。

その案が提示された当初からフェラーリはF1撤退をちらつかせながら反対の意思を表明。メルセデスもそれに同調してF1エンジンルール大幅改定には反対の意向を示していた。

しかし、少し前にはメルセデスが態度を軟化させたようだとの報道も行われていた。

■メルセデス、フェラーリ、ルノーがカルテルを結成?

ところが、先週末にF1イギリスGPが開催されたシルバーストンでこれに関する新たなうわさがささやかれ始めていた。

スイスの『Blick(ブリック)』が、メルセデス、フェラーリ、ルノーの3社が会合を持ち、MGU-Hを存続させる方向で団結することを話し合ったと報じたのだ。

「これにより唯一可能性が高いと見られているポルシェの参入にストップをかけるのが狙いだ」と『Blick(ブリック)』は書いている。

伝えられるところによれば、この3社連合はMGU-Hを廃止すればまったくのゼロから新しいF1エンジンの設計を余儀なくされるため、かえってコストが増大してしまうという主張を前面に押し出してくるようだ。

現在4社あるF1エンジンサプライヤーのうちホンダを除く3社が結託することになるわけだが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、これは事実上の「カルテル」だとし、ある関係者による次のようなコメントを紹介している。

「彼ら(メルセデス、フェラーリ、ルノー)は自分たちの地位が脅かされるのが怖いんだ。そうすれば(MGU-Hを廃止しなければ)、ポルシェやその他のメーカーが参入して彼らに勝ってしまうようなことにはならないからね」

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