1997年のF1チャンピオンであるジャック・ビルヌーブが、マクラーレンのストフェル・バンドーンのパフォーマンスに疑問を呈した。
■アロンソに勝てないバンドーン
ベルギー出身ドライバーであるバンドーンは下位カテゴリーで成功を収め、2017年からジェンソン・バトンの後任としてマクラーレンのフルタイムドライバーとなった。
だが、その2017年にバンドーンがチームメートのフェルナンド・アロンソに予選で勝ったのはわずかに3回だけで、アロンソがインディ500出場のために欠場したF1モナコGPでは、久々にF1カーのステアリングを握ったバトンにも予選で敗れている。
そして今季もここまでに9戦が終わっているが、バンドーンはまだ一度もアロンソを予選で上回ることができていない。
■バンドーンはいい仕事をしているとブーリエ
だが、現時点においてはマクラーレンのレーシングディレクターを務めるエリック・ブーリエはそんなバンドーンを擁護している。
「ストフェルはいい仕事をしているし、懸命に取り組み、成長している。フェルナンドにひけをとらない結果も残しているよ」
「我々は彼にこれまでと同じような仕事を続けて欲しいと思っている」
■バンドーンのシートにも疑問符が?
とは言え、今年も非力なパッケージであることが明らかなマクラーレン・ルノーでアロンソはすでに36ポイントを稼ぎ出してドライバーズランキングも現在8番手に位置している。一方のバンドーンが稼いだのはわずか8ポイントでランキングも16番手とアロンソとの差は歴然だ。
現時点での報道などによれば、アロンソが今季限りでF1を去る可能性がかなり高いと考えられている。もしそうなった場合、マクラーレンでは今季F2シリーズに挑戦している育成ドライバーのランド・ノリスを昇格させるのではないかと考えられている。
だが、もしもバンドーンが来季もマクラーレンにとどまったとして、アロンソの後任としての役割をチーム内で負っていくことができるかどうかは疑問だと考えている者もいるようだ。
こうした推測について質問されたブーリエは次のように答えたのみだった。
「“もし”という語が含まれる質問には答えるつもりはないよ」
■バンドーンの不調は理解できないとビルヌーブ
だが、かつてウィリアムズやBARで活躍した47歳のビルヌーブは、今のバンドーンの成績は解せないとベルギーのテレビ局『RTBF』に次のように語った。
「理解しづらいね」
「彼の最初のグランプリはなかなかよかった。だが、そこから先へ進めていないんだ」
2016年のF1第2戦バーレーンGPで負傷欠場となったアロンソの代役としてF1デビューを飾り、予選でバトンを上回る12番手となり、決勝でもデビューレースで見事に10位入賞を果たしたバンドーンに言及したビルヌーブは次のように付け加えている。
「何かアロンソとの間に複雑な政治的問題があるのか、あるいは、彼は単にF1に到達したことで満足しておりそれで十分だと思っているのか、僕には分からないよ」