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【決勝レポート】ホンダ、ポイント逃す・・・波乱のレースを制したのはレッドブル/F1オーストリアGP

2018年07月02日(月)0:39 am

2018年F1第9戦オーストリアGPが7月1日(日)、レッドブルリンク(全長4.318km)で3日目を迎え、現地時間15時10分(日本時間22時10分)から行われた決勝でレッドブルのマックス・フェルスタッペンが優勝した。フェルスタッペンは今季初優勝で、通算では4勝目を達成した。

●【画像:決勝レース結果】2018年F1第9戦オーストリアGPのタイム差、周回数、ピット回数

■スタート直後にハミルトンがトップ浮上

レッドシグナルが消えてレースが開始されると3番グリッドからスタートしたキミ・ライコネン(フェラーリ)が最前列からスタートしたメルセデス勢の間に割り込むように滑り込み、ポールポジションスタートのバルテリ・ボッタスをけん制。これでリズムを崩されたボッタスはルイス・ハミルトンとライコネンに先行を許して3番手に下がる。

ところがその直後にボッタスがまたライコネンをとらえて2番手に浮上、ライコネンはさらにフェルスタッペンにも順位を奪われて4番手に後退するというめまぐるしい展開となる。

後方では12番手スタートのピエール・ガスリー(トロロッソ)と14番手スタートのストフェル・バンドーン(マクラーレン)が接触。バンドーンはタイヤにダメージを受けてピットインを余儀なくされた。

1周目を終えた時点ではメルセデスのハミルトンとボッタスが1-2体制を築き、フェルスタッペン、ライコネン、ダニエル・リカルド(レッドブル)、セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)がそれに続く形となった。

■ヒュルケンベルグとボッタスにトラブル発生

レースが12周目に入ったところでルノーのニコ・ヒュルケンベルグのマシンが白煙を上げながらストップ。今日最初のリタイアとなってしまう。

ところが、レースが15周目を迎えたところでなんとポールポジションからスタートし2番手に位置していたボッタスがクルマを止めてしまう。ギアボックス関係のトラブルだと伝えられたが、なんとここでメルセデスの1台が姿を消してしまった。

■VSC導入時のピット戦略でハミルトンも後退

ボッタスのクルマがターン4付近のコース脇に止まったことからここでVSC(バーチャルセーフティカー)が導入されると、ドライバーたちが一斉にピットに入り、ここに持ち込まれたドライタイヤの中で一番硬めのソフトタイヤに交換する。ところがタイミングが合わなかったか、トップに位置していたハミルトンはそのままコースにとどまった。

17周目にVSCが解除されると、スタート時に履いていたスーパーソフトタイヤで走り続けることを選択したハミルトンを、ソフトタイヤに交換したフェルスタッペン、ライコネン、リカルド、ベッテルらが追う形となる。ソフトタイヤに交換したドライバーたちはこのタイヤで最後まで走り切る戦略であることは確かで、この時点でハミルトンは絶対的に不利な状況に置かれてしまった。

21周目にリカルドがライコネンをオーバーテイクして3番手に浮上。ホームレースを戦うレッドブル勢が2番手3番手を形成する。そして25周目にハミルトンもピットに入りソフトタイヤに交換。ハミルトンはなんとかベッテルの前4番手でコース復帰する。

これでレッドブルのフェルスタッペンとリカルドが1-2体制を築き、レッドブルリンクを訪れたファンからの大歓声を受けながら周回を続ける。

■リカルドとハミルトンにも悪夢

ところが30周目を過ぎたあたりからタイヤにブリスターと呼ばれる気泡状のものが発生したリカルドのペースが落ち始める。そして38周目にはついにライコネンがリカルドをとらえて2番手に浮上。リカルドはたまらず39周目にピットに入りスーパーソフトタイヤに交換。

その39周目にはベッテルもハミルトンをとらえて3番手に浮上。フェルスタッペン、ライコネン、ベッテルがトップ3を形成する展開となった。

ソフトタイヤでペースが上がらないハミルトンは53周目に2度目のピットインを行い、ここでスーパーソフトタイヤに交換してリカルドの後ろでコース復帰。ところがその直後にリカルドのマシンにもトラブルが発生。リカルドはそのままクルマを止めてしまいここでリタイアとなってしまった。

その後フェルスタッペンをトップに、2番手ライコネン、3番手ベッテル、4番手ハミルトンの順での周回が続き、レースが終盤に向かうにつれ徐々に各ドライバー間のギャップが縮まり始める。

だがレースが71周で行われるレースが63周目に入ったところでハミルトンのマシンにもトラブルが発生。なんとメルセデスの2台がともにトラブルでリタイアに終わるという大波乱の展開となってしまった。

■ベッテルが再びランキングトップに

結局、そのままトップを守ったフェルスタッペンがライコネンの追い上げをかわしてトップチェッカーを受け、レッドブルのホームレースで今季初優勝を飾った。ライコネンに次ぐ3位でフィニッシュしたベッテルは15ポイントを獲得し、再びハミルトンに1ポイント差をつけてランキングトップに返り咲いた。

このレースを12番グリッドからスタートしたトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーはレース終盤にはポイント圏内の8番手を走行していたものの、残りが6周となったところでペースが落ち、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)、ザウバーのシャルル・ルクレールとマーカス・エリクソンに相次いでオーバーテイクを許し、ポイント圏外の11位でレースを終える残念な展開となった。

トロロッソ・ホンダのもう1台ブレンドン・ハートレーはPU(パワーユニット)を交換し最後尾19番グリッドからのスタートだったが、57周目にトラブルが発生しそこでリタイアとなった。

■グロージャン初ポイント ホンダはポイント獲得を逃す

予選後にいくつか異なるスペックのパーツに交換したことでピットレーンからスタートしたアロンソは上位勢にリタイアが相次いだこともあって8位にまで順位をばん回し、第5戦スペインGP以来のポイント獲得を達成。また、昨年はコンストラクターズランキング最下位に終わったザウバーが2台ともポイント獲得に成功している。

また、今季ここまでノーポイントが続いていたハースのロマン・グロージャンが4位入賞を果たすとともに、チームメートのケビン・マグヌッセンも5位でフィニッシュしハースがその力強さを発揮してみせたレースだった。ルノー勢が決勝で失速する中、フォース・インディアの2台もしぶとい走りでエステバン・オコンが7位、セルジオ・ペレスが8位でダブル入賞を果たしている。

■決勝トップ10ドライバー(暫定)

優勝/マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
2位/キミ・ライコネン(フェラーリ)
3位/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
4位/ロマン・グロージャン(ハース)
5位/ケビン・マグヌッセン(ハース)
6位/エステバン・オコン(フォース・インディア)
7位/セルジオ・ペレス(フォース・インディア)
8位/フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)
9位/シャルル・ルクレール(ザウバー)
10位/マーカス・エリクソン(ザウバー)

次戦2018年F1第10戦イギリスGPは7月6日(金)の現地時間10時(日本時間18時)に開幕。決勝は7月8日(日)の現地時間14時10分(日本時間22時10分)にスタートする。

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