メルセデスF1チームの非常勤会長を務めるニキ・ラウダが、F1フランスGP決勝でセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に与えられたペナルティーはあまりにも“寛大過ぎる”ものだったと主張した。
3番グリッドからフランスGP決勝をスタートしたベッテルはターン1で2番グリッドからスタートしていたメルセデスのバルテリ・ボッタスに追突。このクラッシュに対して統括団体であるFIA(国際自動車連盟)のF1競技委員がベッテルに科したのは“5秒ペナルティー”だった。
■5秒などペナルティーのうちに入らないとラウダ
「あれほど大きなミスを犯したのにどうしてたった5秒なんだい?」
かつて3度F1チャンピオンとなった実績を持つラウダはそう語ると次のように付け加えた。
「5秒なんて何の意味もないよ。あれでバルテリのレースは台無しになったんだからね。我々は1位と2位になれていたはずなんだ」
■過去の事例を見れば妥当だったとFIA
だが、F1競技委員長を務めるFIAのチャーリー・ホワイティングはそのベッテルのペナルティーについて次のように語っている。
「競技委員会としては4つの選択肢があったんだ。5秒ペナルティー、10秒ペナルティー、ドライブスルー、そしてストップアンドゴーがね」
「過去に起きたこの手の事故からすれば、5秒ペナルティーが妥当だと考えられる。その事故がもたらす結果まで考慮に入れるならば違うペナルティーがふさわしいという意見もあるだろう。だが、競技委員はそこまでは考慮しないものなんだ」
■ハミルトンに14ポイント差をつけられたベッテル
ベッテルとボッタスはそのクラッシュによりダメージを負ってピットに戻り、一時は最後尾まで順位を落とした。しかし、最終的にベッテルは5位、ボッタスは7位でレースを終えている。
10年ぶりに開催されたフランスGPでは最大のライバルであるベッテルがトップ争いから離脱したことでルイス・ハミルトン(メルセデス)が万全の態勢でポール・トゥ・ウィンを達成。今季3勝目をあげたハミルトンは再びベッテルからランキングトップの座を奪い返し、現時点でベッテルに14ポイント差をつけている。
■ハミルトンに14ポイント差をつけられたベッテル
そのハミルトンも今回ベッテルに与えられたペナルティーには疑問を呈している。
「ほかのドライバーのレースを台無しにしたのに5秒ペナルティーだけというのはちょっと小言をくらったくらいのものだと思うよ」
そう語ったハミルトンは次のように付け加えた。
「もしクラッシュを起こした方が当てられた者より前でフィニッシュしたら、当然そのペナルティーで十分だったのかということになるよね」