2018年F1第8戦フランスGPが6月24日(日)、ポール・リカール・サーキット(1周5.842km)で3日目を迎え、現地時間16時(日本時間23時)から行われた決勝でメルセデスのルイス・ハミルトンがポール・トゥ・ウィンで通算65勝目となる今季3勝目をあげた。
●【画像:決勝レース結果】2018年F1第8戦フランスGP決勝レースのタイム差、周回数
■ホンダPUのガスリーは母国レースで無念の1周目リタイア
好天に恵まれたポール・リカールだが、レース中に雷雨となる確率が60%という予報の中でレースがスタートされる。ところが1周目にまさに嵐のような混乱がコース上で展開されることになった。
ターン1で3番手スタートのセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が2番手スタートのバルテリ・ボッタス(メルセデス)に追突。さらにフォース・インディアのエステバン・オコンとトロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーというフランス人ドライバー同士もクラッシュするというアクシデントも発生してしまう。
10年ぶりに開催されたフランスGP決勝は1周目に早々とセーフティカーが導入される波乱の幕開けとなってしまった。
フロントウイングにダメージを負ったベッテル、そしてボッタスはピットに戻って一番硬いコンパウンドのソフトタイヤに交換して最後尾でコース復帰を果たすが、オコンとガスリーは母国グランプリを1周もすることができずに終えることになった。
■ベッテルがオーバーテイクショーを展開
セーフティカーが戻り6周目にレースが再開されるとここからベッテルの怒とうの追い上げが開始される。ベッテルはすぐにウィリアムズの2台を追い抜いて15番手16番手に浮上。フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)もベッテルに押し出されるような形でコースオフして最下位に落ちてしまう。
ベッテルは9周目には11番手にまで順位を上げるが、ここで1周目のクラッシュを発生させたことで5秒ペナルティーが科されてしまう。ベッテルは11周目には10番手にまで順位を上げるが、この間にハミルトンは2番手に浮上していたフェルスタッペンとのギャップを開きながら独走態勢を築いていく。
規定外PU交換により最後尾20番グリッドからスタートしたトロロッソ・ホンダのブレンドン・ハートレーは1周目の混乱に乗じて13番手にまで順位を上げていたが、ベッテルやボッタスに追い抜かれて再び順位を下げていく。
ベッテルはその後も前を走るクルマを1台また1台と料理し15周目には8番手に浮上。17周目には予選8番手という素晴らしいパフォーマンスを見せたザウバーのルーキー、シャルル・ルクレールもかわして7番手となるとその次の周にはケビン・マグヌッセン(ハース)をかわして6番手、さらに20周目にはカルロス・サインツ(ルノー)をオーバーテイクして5番手まで順位を上げてきた。
■リカルドとライコネンが激しいバトルを展開
26周目にスーパーソフトタイヤでスタートし2番手を走行していたフェルスタッペンがピットに入りソフトタイヤに交換。フェルスタッペンはベッテルの前4番手でコース復帰する。
29周目には暫定2番手を走行していたダニエル・リカルド(レッドブル)もピットイン。ソフトタイヤに交換したリカルドはベッテルの後ろ5番手でコースに戻った。
33周目にトップを走行していたハミルトンがピットに入り、ソフトタイヤに交換してコースに復帰。その次の周にはライコネンもピットに戻り、こちらはスーパーソフトタイヤに履き替えてベッテルの後ろ5番手でコースに戻る。
36周目にはタイヤ交換を済ませてコースに戻っていたルクレールがコース上でアロンソをオーバーテイクするシーンも展開された。
39周目には新しいスーパーソフトタイヤを履いたライコネンがベッテルとの差を一気につめてくる。ベッテルはライコネンに道を譲り、ライコネンは前を走行するリカルドを追いかける展開となる。
同じ周にスタートしたウルトラソフトタイヤで走行を続けていたハートレーがピットに戻りスーパーソフトタイヤに交換。ハートレーは最後尾17番手でのコース復帰となった。
レースが終盤に入った45周目にはライコネンがリカルドの背後に迫り、激しい3位争いが展開されていく。リカルドも必死にライコネンの攻撃をかわすが、ついに47周目にシケイン手前でライコネンがリカルドをとらえて3番手に浮上する。
■ハミルトンが万全の走りでランキングトップに復帰
50周目には6番手を走行していたサインツのマシンにトラブルが発生。サインツはマグヌッセンとボッタスに相次いでオーバーテイクを許してしまう。
その直後にウィリアムズのランス・ストロールの左フロントタイヤがバーストし、破片をまき散らしながらコース脇にクルマをとめてしまう。ここでVSC(バーチャルセーフティカー)が導入される。
そのVSCが解除されたのはレースがファイナルラップに入ったときだった。結局ハミルトンがあぶなげなくトップを守り切り、今季3勝目を達成。再びベッテルからポイントリーダーの座を奪い返した。
2位にはマックス・フェルスタッペン(レッドブル)、3位にはキミ・ライコネン(フェラーリ)が入り表彰台に上った。
期待のトロロッソ・ホンダだが、ピエール・ガスリーは1周目のクラッシュで無念のリタイア。最後尾スタートだったブレンドン・ハートレーは14位でレースを終えている。
■決勝トップ10ドライバー(暫定)
優勝/ルイス・ハミルトン(メルセデス)
2位/マックス・フェルスタッペン(レッドブル)
3位/キミ・ライコネン(フェラーリ)
4位/ダニエル・リカルド(レッドブル)
5位/セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)
6位/ケビン・マグヌッセン(ハース)
7位/バルテリ・ボッタス(メルセデス)
8位/カルロス・サインツ(ルノー)
9位/ニコ・ヒュルケンベルグ(ルノー)
10位/シャルル・ルクレール(ザウバー)
次戦2018年F1第9戦オーストリアGPは6月29日(金)の現地時間11時(日本時間18時)に開幕。決勝は7月1日(日)の現地時間15時10分(日本時間22時10分)にスタートする。
●【ポイントランキング】2018年F1第8戦フランスGP決勝レース終了後