レッドブルが当初の予定よりも早い段階で来季からホンダと組むことを決定したのは、これまでエンジンパートナーを務めていたルノーのせいだった。
そう主張したのはレッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコだ。
レッドブルでは来季のエンジンサプライヤーを決定するにあたっては、今週末に開催されるF1フランスGP(24日決勝)でのデータも参考にしたいとの考えを明らかにしていた。
■ルノーが最終期限を設けたことで選択の余地がなくなった
ところが、実際にはフランスGP開幕を待たずしてレッドブルは19日(火)に、長年のエンジンパートナーであったルノーと決別して来季はホンダにスイッチすることを発表した。
「実際のところ、我々としてはフランスの後で決定に関する発表をしたいと思っていたんだ」
マルコはドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ると次のように付け加えた。
「だが、ルノーが日曜日までという最終期限を設定たんだ。我々には選択の余地がなくなってしまった」
■実際にはカナダで方針は固まっていた
とは言え、レッドブル内ではホンダが前戦カナダGPに持ち込んだPUの改善度合いに満足しており、来季はホンダに乗り換えることでほぼ方針が固まっていたようだ。
マルコはホンダ移行を決めた理由について次のように続けた。
「(ホンダの)新しい改良版は、カナダでは不運な状況によってうまく使うことができなかったものの、ラップタイムはコンマ3秒縮めてきていた」
「だから、ホンダと契約することはあらゆる意味で我々にとっては非常に前向きなことだよ。スポーツ面、技術面、そして財政面においてもね」
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーも、フランスGPを待たずしても、モントリオールで行われたカナダGPでのデータはホンダに替えることを決断するに十分なものだったと主張している。
「モントリオールに基づけば、我々が決断すべきことは明らかだったし、今がその時なんだ」
そう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「期待としては、ほかのチームたちとの差をさらに縮めたいと思っている。ホンダにはそれを助けてくれるだけの設備やリソースもあるよ」
■2年契約が意味するものは?
今回、レッドブルとホンダは2019年から2020年までの2年契約を結んだことが明らかとなっている。
2021年以降は新たなエンジンレギュレーションが導入されることになっており、うわさではポルシェがエンジンサプライヤーとして新規参入することを計画しているようだと言われている。
さらに、新たなエンジンレギュレーションによっては、独立系エンジンメーカーであるコスワースやイルモアなどにも新規参入の可能性もあるのではないかと言われている。
レッドブルとしては、今後の2年間の間にエンジンサプライヤーの状況や環境がどう進展するかを見極めながら、2021年以降の戦略を組み立てたいと考えているのかもしれない。