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【ル・マン24時間】トヨタ、20回目の挑戦『これまでの借りを返す』

2018年06月08日(金)21:57 pm

トヨタが20回目の挑戦となるル・マン24時間へ向けて、最終調整を行っている。悲願の初優勝を狙うトヨタは、2度のF1チャンピオンであるフェルナンド・アロンソを迎え、総合優勝を目指す。

■トヨタ、ル・マン24時間へ(プレビュー)

TOYOTA GAZOO Racingは、6月16日(土)から17日(日)に迫った、FIA世界耐久選手権(WEC)の2018-2019スーパーシーズンのハイライト、第2戦ル・マン24時間レースの優勝を目指して臨みます。

■今年はフェルナンド・アロンソが加入

エンジンとハイブリッド・システムで合計最大1,000馬力の出力を誇る2台のTS050 HYBRIDが、86回目を迎え、世界三大レースとも言われる伝統と格式のモータースポーツイベントに臨みます。TS050 HYBRID 7号車は小林可夢偉、マイク・コンウェイ、ホセ・マリア・ロペスの3名がドライブ。8号車は中嶋一貴とセバスチャン・ブエミにル・マン24時間は初レースとなる、フェルナンド・アロンソを加えた3名の布陣で総合優勝を目指します。

シーズン開幕戦のスパ6時間レースで1-2フィニッシュを飾り、チームはトヨタにとって20回目となるル・マンへの挑戦で、勝利を争える手応えを得ました。スパを戦い、ル・マンに臨むTS050 HYBRIDでは、総計25,000km以上にも及んだ冬季オフシーズンテストにおいて、信頼性の向上と突発アクシデントに対応出来るチーム力を作り上げるテストが続けられてきました。

■速さはあったがトラブルに敗れてきたトヨタ

こと速さという面において、TOYOTA GAZOO Racingがトップクラスの実力を有することは、ここ数年のル・マン24時間レースで証明出来ました。それでも2016年は、首位を独走しながら、残り2周というところで発生したトラブルにより、ほぼ手中にしかけていた勝利を逃しました。

昨年2017年は、コースレコードを大きく更新する圧倒的な速さでポールポジションを獲得しましたが、優勝を掴むことが出来ませんでした。そして今年、これまで何度も勝利を阻まれてきた最大目標のル・マンに再び挑みます。

■2012年より35%もの燃費改善

トヨタのル・マンへ挑戦によって、レース用に開発されたハイブリッド・システムの改良が続けられ、2018年仕様のTS050 HYBRIDは、参戦を再開した2012年当時に比べ、35%もの燃費改善が図られています。この結果、2018年仕様のTS050 HYBRIDは35.1kgの燃料タンクで、1周13.626kmのル・マン・サルト・サーキットを11周することが出来るまでに至っています。

ライバルのノン・ハイブリッドLMP1車両は、TS050 HYBRIDに対し、45kg軽い車重とより大きな燃料タンク容量(現時点で具体的な数値が公表されていません)が許されており、より高いパワーを発生することが出来ますが、一方でピットストップ回数は多くなり、10周毎のピットインになるものと予想されます。

■昨年より4秒以上速くなったライバル勢

性能調整が導入された新たなLMP1規則下で行われた第1戦スパでトヨタがライバルに2周差をつけて勝利を飾ったのは、ピット時間の短さも貢献しました。一方、先日のル・マン・テストデーでのレベリオン・レーシングのラップタイムは、昨年までのLMP1車両よりも4秒以上も速くなっており、ノン・ハイブリッド勢のタイムは、大きく向上しています。このようなライバル勢の向上により、今年のル・マン24時間レースは接戦になることが予想されます。

■小林可夢偉のポールタイムは永遠に

サルト・サーキットも安全性の観点から、若干の変更が加えられました。1周の長さは、公式に3メートル短くなりました。昨年、小林がポールポジション獲得でコースレコードを更新した3分14秒791というタイムは、13.629kmのレイアウトでマークされ、永久に破られることのない記録となりました。そして、1999年にトヨタTS020でマーティン・ブランドルが13.605kmのコースでマークし、その後レイアウト変更まで誰にも破られなかったレコードタイムと共に、ル・マンの歴史に刻まれることとなりました。

2018年仕様のTS050 HYBRIDは、6月3日(日)にサルト・サーキットのフルコースで実施された公式テストデーにおいて、合計2,752kmを走破。この日のファステストラップも記録しました。テストデーで示した信頼性とパフォーマンスを本番でも発揮出来るように全力を尽くします。

■ル・マン ウィーク

ル・マンウィークを通しての総走行時間は合計約35時間にも達し、耐久レースに挑戦する真の精神力が試されることになります。走行セッションは6月13日、4時間の公式練習走行で幕を開け、その後、日の入りが遅い夏の欧州で、夜のとばりが降りる午後10時から、2時間の予選が始まります。

予選は翌14日(木)、更に2回の2時間にわたるセッション(現地時間の午後7時と午後10時開始)でも続けられます。決勝レースのスターティンググリッドはこの3回の予選セッション中最速ラップタイムで決定されます。TOYOTA GAZOO Racingはまず、ル・マンで4度目のポールポジションを目指しての戦いに挑みます。

15日(金)はサーキットでの走行が行われず、ル・マンの旧市街でドライバーズパレードが行われます。ファンの皆様にとっては決勝レース前にドライバー達と間近に触れ合える楽しみな時間です。そして、16日(土)現地時間午前9時からの45分間のウォームアップ走行を経て、同午後3時に24時間に及ぶ長いレースのスタートが切られます。

■村田久武 TOYOTA GAZOO Racing WECチーム代表:

「いよいよル・マン24時間レースを迎え、身が引き締まる思いです。ここ数年間のレースを思い返し、『これまでの借りを返す』と言う強い思いで臨みます。一昨年、昨年と最後まで志を果たせずレースを終えることになってしまいましたが、今年こそ24時間をしっかり走りきるために、あらゆる緊急事態に備えて徹底的に訓練を重ねて参りました。 過去に何度も経験したように、このレースは様々な突発のアクシデントに襲われます。不測の事態が発生した時こそチームの総合力で克服しなければなりません。準備は整ったと信じています。何があっても決して諦めず、表彰台の真ん中に立つために全力を尽くします。ファンの皆様の記憶に残るレースをご覧いただけるよう頑張ります」。

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