メルセデスのモータースポーツ責任者トト・ヴォルフが2021年以降もF1活動を継続することをさらに強く示唆した。
2017年10月にF1オーナーのリバティ・メディアが主導して立案された2021年以降のF1新ルール案が提示されると、それに対してフェラーリがF1撤退をちらつかせながら反対の意思表示を行ったことはよく知られている。
メルセデスも当初フェラーリと足並みをそろえるようにしてリバティ・メディアやF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)の方針に反対の意思表示を行っていた。
だが、最近になってメルセデスがリバティ・メディアが示した2021年以降のF1技術ルール変更案を受け入れる姿勢を示したことが報じられていた。
■2021年以降もF1残留を望むメルセデス
そして、ヴォルフはこのほどドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「F1は我々のコアビジネスのひとつなんだ」
「我々にとってはマーケティングの基盤というだけではない。直接的なテクノロジー移管があるし、このスポーツは我々のブランドと結びついているんだ」
「だから、我々は(F1に)とどまりたいと思っている。なぜなら、それは我々にとって価値のある唯一本当の舞台だからだ」
■メルセデスにとってフォーミュラEとは?
その一方で、メルセデスは2018年限りでこれまで参戦を継続していたDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)から撤退し、フル電動フォーミュラカーによる世界選手権であるフォーミュラEにシフトすることになっている。
市販車業界には化石燃料を使用するクルマからの脱却を目指す流れがあるが、将来的にはF1もフォーミュラEに取って代わられるのではないかと考えている者もいる。
だが、ヴォルフは次のように主張している。
「F1は間違いなくトップクラスのレースだ。だが電化が進みつつあり、それはあらゆるブランドにとっていいメッセージだ」
「3年前、私はフォーミュラEにチャンスはないと思っていた。しかし、それは変わった。それ(フォーミュラE)は若い、都市のターゲットグループに向けて取り組んでいる。主催者たちはいい仕事を成し遂げたよ。我々にとっては興味ある新規事業のようなものだ」
そう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「だが、我々にとってそれ(フォーミュラE)はF1と競合するものではなく、F1を補足するものなんだ」