2019年からマイアミでF1が開催される可能性が濃厚となっているが、F1カナダGPのプロモーターを務めるフランソワ・デュモンティエはそれによる自分たちへの影響はほとんどないだろうと語った。
■アメリカや中国で市場拡大を目指すF1
2017年からF1最高責任者の地位にあるチェイス・キャリーは、今後のF1レース展開についてカナダの『La Presse(プレス)』に次のように語った。
「我々はアメリカでF1を発展させたいという思いを隠したことなど決してないし、最終的には(アメリカ国内で)数レースを行いたいと思っている」
「我々は同時に中国にも成長の可能性があると考えている」
積極的にアメリカやアジアへの進出を図るF1オーナーのリバティ・メディアだが、キャリーはF1発祥の地であるヨーロッパはこのスポーツにとっての基盤であり、決してないがしろにするつもりはないと次のように続けた。
「私がかかわる限り、ヨーロッパは今後も世界選手権カレンダーの基盤となるだろう」
「だが、我々は同時にF1の収益性も確たるものとしていかなくてはならないし、アメリカや中国を無視するわけにはいかないよ。どちらも世界における最大規模の市場だからね」
■アメリカ国内での市場バッティングは?
そんな中、北アメリカ大陸でのF1レースが増えることになれば、現在テキサス州オースティンのCOTA(サーキット・オブ・ジ・アメリカズ)で開催されているアメリカGPや、今週末にモントリオールで開催されるカナダGP、さらにはメキシコGPの主催者たちにとっては自分たちのレースに来てくれる観客が減るのではないかとの懸念を抱えることにもなりそうだ。
だが、カナダGPを主催するデュモンティエは、差し当たり、2019年のF1カレンダーに載る可能性があると言われているマイアミでのGPに関してはそれほど心配していないと次のように語った。
「F1がうちの庭にやってくるのであれば違ってくるだろう。例えばニューヨークなどにね。そうなれば我々は北東部の同じ市場で争うことになってしまう。だが、今話題に上っているのはマイアミや西海岸だ」
■レース増加に伴いF1運営方法にも変化?
リバティ・メディアはすでに将来ニューヨークでF1を行いたいという考えも示唆している。だが、全21戦で行われる2018年シーズンもチームにとってはかなり負担が大きくなっており、今後レース数がさらに増えるようであれば連続開催を増加させるか、あるいは現在3月から11月までとなっている開催時期を例えば2月から12月までに拡大するしかないだろう。
だが、キャリーはF1開催時期を拡大する考えは持っていないと次のように語った。
「3月から11月までのシーズンは非常に忙しいし、我々としてもそれを拡大したいとは思っていない」
「しかし、違うやり方で運営する方法はあるし、そうすればチームの仕事をさらに増やすことにはならないだろう」