セバスチャン・ベッテル(フェラーリ)が、今年のF1第5戦スペインGPにピレリが突然それまでとは仕様の違うドライタイヤを持ち込んだのは正解だったと認めた。
F1公式タイヤサプライヤーであるイタリアのピレリは、先週末のスペインGP用にコンパウンドの厚みを減らしたドライタイヤを急きょ持ち込んでいた。
ピレリではこれはサーキット特性に対応させるためだとし、第8戦フランスGPが行われるポール・リカール・サーキットと第10戦イギリスGPの開催地であるシルバーストン・サーキットにもこれと同じ仕様のタイヤを投入する予定であることを明らかにしている。
■ささやかれていたメルセデス陰謀説
だが、バルセロナで行われたスペインGPではメルセデスのパフォーマンスが大幅にアップしたこともあり、レッドブル首脳のヘルムート・マルコは今回の件はメルセデスがピレリに自分たちに有利になるようなタイヤを持ち込むよう仕向けたものだというコメントを行っていた。
スペインGP終了後にはベッテルもこの新仕様タイヤによって有利になったチームがあると語り、暗にメルセデスとピレリの陰謀説を支持するような発言を行っていた。
■新仕様タイヤは正解だったとベッテル
だが、15日(火)に同じバルセロナ-カタルーニャ・サーキットで行われたシーズン内公式テストには古い仕様のタイヤと今年スペインに持ち込まれた新仕様タイヤの両方でテスト走行が行われていた。
そして、そのテスト後、ベッテルの姿勢が一変したと報じられている。
「(スペインGPで)もしこれ(旧仕様のタイヤ)が使われていたら、もっとまずいことになっていただろうね。このタイヤはかなり深刻なブリスターが発生するし、それによって重大な問題が発生していたかもしれない」
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったベッテルは次のように続けた。
「薄いトレッド(のタイヤ)を持ち込んだのは正解だったよ」
「僕たちの失敗は、ライバルたちがやってのけたように摩耗を防ぐことができなかったことだ。そして、それに対応できるよう取り組まなくてはならないのは僕たちなんだ」
そう語ったベッテルは次のように締めくくっている。
「僕たちにもいくつかアイデアがある。そして、これからそれを実現していく必要がある」