メルセデスF1チームを率いるトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)が、レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコのコメントに反論を行った。
■ピレリがメルセデスに有利なタイヤを供給?
F1公式タイヤサプライヤーであるピレリは、先週末にバルセロナで行われたF1スペインGPにはこれまでとは違う仕様のドライタイヤを持ち込んでいた。
だが、バルセロナでそのタイヤにてこずってしまったフェラーリのセバスチャン・ベッテルは母国ドイツの『Bild(ビルト)』に次のように語っている。
「4mm削り取ればタイヤがより硬くなってしまうということは天才でなくても理解できるよ。それがほかのチームのほうが僕たちよりそれをうまく扱えた理由さ」
そして、レッドブルのマルコも次のような主張を展開している。
「あのタイヤはメルセデスの要請を受けて修正されたものだった」
「自分たちがチームと同時に自動車会社であれば、そういうこともできるんだ」
ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』にそう語ったマルコは次のように付け加えた。
「我々はエナジー飲料メーカーだ。当然ながら、乗用車メーカーと比べれば我々はそれほどの影響を及ぼすことはできないよ」
■文句を言うのは弱さの証明だとヴォルフ
だが、メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるヴォルフはそうしたマルコの主張に対し真っ向から反論を展開した。
「博士が幽霊を見たのは今回が初めてではないよ」
法学博士号を持つマルコを揶揄(やゆ)するようにそう語ったヴォルフは次のように続けた。
「冬のテストではタイヤにブリスターが発生する問題が生じていた。それはレッドブルも同じだ。リアタイヤはまるで火山が噴火したような状態になっていたよ。だから、ピレリはそれを改善したんだ」
「もしタイヤが破裂するようなことになったらこのビジネスにとっては打撃だからね」
そう主張したヴォルフは次のように付け加えた。
「週末にうまくいかずに文句を言えば、それは弱さに見えると私は思うね。我々は自分たちの問題を解決するために何よりもまず自分たち自身に目を向けているよ」