昨年ザウバーのドライバーを務めていたパスカル・ウェーレインがF1に戻ってくるかもしれないとのうわさがささやかれている。
■今季のF1シートを失ったウェーレイン
メルセデス所属ドライバーであるウェーレインは2015年にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で史上最年少チャンピオンとなると2016年にマノーでF1デビューを果たし、翌年はザウバーに移籍していた。
ザウバーに所属した2017年シーズンには第5戦スペインGPで8位、第8戦アゼルバイジャンGPで10位となり、チームに合計5ポイントを持ち帰っている。だが、フェラーリとの関係を強化したザウバーは2018年にはフェラーリのアカデミードライバーであるシャルル・ルクレールの登用を決めるとともにチームオーナーと太いパイプを持つマーカス・エリクソンの残留を決定。ウェーレインは1年でザウバーのシートを失うことが確定してしまっていた。
行き場を失ったウェーレインは、今季は再びDTMにメルセデスチームから参戦。ホッケンハイムで行われた第1戦、第2戦を終えた時点でランキング5位につけている。
■ウェーレインがハートレーの後任候補に?
さが、最近になってレッドブルが23歳のウェーレイン獲得に興味を示しているようだとのうわさがささやかれている。
レッドブルでは2017年の第17戦アメリカGPからWEC(世界耐久選手権)チャンピオンのブレンドン・ハートレーをジュニアチームであるトロロッソのドライバーに抜てきしていた。だが、最近そのパフォーマンスに失望したレッドブルがハートレーの代役としてウェーレインに白羽の矢を立てたようだというのだ。
28歳のニュージーランド出身ドライバーのハートレーは、まだ今季のトロロッソ・ホンダF1マシンにうまく対応できていないのか、パフォーマンスに関してはチームメートのピエール・ガスリーに見劣りする印象があるのは事実だ。
また第3戦中国GP決勝ではトロロッソのチームメート同士がクラッシュするというアクシデントが発生。さらに第4戦アゼルバイジャンGPでは予選中にハートレーのタイヤがパンクするというトラブルがあった際、またしても後ろで高速走行していたガスリーとあわやクラッシュかというシーンが展開されていた。
さらに先週末のスペインGPではフリー走行3回目でハートレーが大クラッシュを演じてしまい、クルマの修復が間に合わずに予選出走ができなくなるという事態も起きており、チーム内ではハートレーの力を疑う声も出始めているのかもしれない。
■バルセロナで話し合いがもたれたとの情報も
ドイツの『Bild(ビルト)』は、ウェーレイン獲得についてすでに先週末にスペインGPが開催されたバルセロナで話し合いが行われたと報じている。バルセロナには普段あまりグランプリに顔を見せることがないレッドブルオーナーのディートリッヒ・マテシッツの姿もあった。
しかし、このうわさについて質問されたレッドブルのドライバー育成責任者ヘルムート・マルコは次のように答えている。
「どこからそんな話が出たのか私は知らないよ」