F1競技委員長を務めるFIA(国際自動車連盟)のチャーリー・ホワイティングが、特定のチームに有利になるようにセーフティカー導入のタイミングを決めるようなことはしていないと主張した。
先週末に行われた今季のF1第3戦中国GP決勝では、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーとブレンドン・ハートレーがターン14で同士打ちをするというアクシデントが発生。これによってコース上にF1マシンの破片が散乱したことでセーフティカーが導入された。
だが、レース後、フェラーリのセバスチャン・ベッテルなどがレッドブルに有利なタイミングでセーフティカーが導入されたことに対する不満を口にし、FIAの競技委員たちは特定のチームに有利になるようタイミングを見計らってセーフティカーを導入しているのではないかとの疑惑さえ抱いているとほのめかしていた。
これは、レッドブルがそのタイミングを利用してすばやく2台ともタイヤ交換を行い、レース終盤を有利に進めることができるようになったからだ。
■ドライバーの有利不利など考えないとホワイティング
だが、ホワイティングはそうした疑念の声に対してイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』を通じて次のように反論した。
「我々がセーフティカーを使う決定をするのは、安全上の理由だけだ」
「だから、そういう時には、私は誰にとって有利になりそうか、誰にとって不利になりそうかなどということに目を配ったりしていないよ」
「我々が行うのは、コース上のクルマが特定の間隔となるのを待つことだけだ」
そう主張したホワイティングは、中国GPでのセーフティカー導入タイミングについて次のように補足している。
「破片が広い範囲にわたってばらまかれていた。だから私はマーシャルたちをコースに送り出す前にすべてのクルマがセーフティカーのうしろにつくのを待ちたかったのだ」
■セーフティカーによる運不運はレースにつきもの
長年F1競技委員長を務めているホワイティングは、今年の中国GPでセーフティカー導入のタイミングに関する苦情がささやかれたことには驚いたと次のように付け加えた。
「我々は2015年からVSC(バーチャルセーフティカー)を導入したし、セーフティカーはすでに20年にわたって使ってきている。だから、常にそこで勝者と敗者が生じるということくらい理解しておくべきだよ」