2018年のF1ドライバーズタイトル争いが混沌(こんとん)としてきそうな気配が漂い始めている。
2017年のF1チャンピオンであり、今季通算5回目のタイトル獲得を目指すルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)だが、今季はまだ1勝もできていない。
しかし、先週末に行われた中国GP決勝ではポールポジションからスタートしたポイントリーダーのセバスチャン・ベッテルが8位に沈むという番狂わせもあり、3レースを終えた時点でベッテルとランキング2番手のハミルトンとの差は9ポイントに縮まってきている。
だがその一方で、中国GPで2位に入ったバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)もチームメートのハミルトンとの差を5ポイントに縮めてきているとともに、中国で大逆転優勝を果たしたレッドブルのダニエル・リカルドもボッタスと3ポイント差のランキング4番手に上がってきている状況だ。
■いつもの自分を取り戻す必要があるとハミルトン
例年になく苦しいシーズンを迎えてしまったハミルトンは現在の状況について次のように語った。
「僕だけでなく、チームとしてもパフォーマンス不足の状態となっている」
「僕に関しては悲惨だった。僕の通常のパフォーマンスレベルに戻し、ポイントを失わないようにするためにこれから検証していく必要があるね」
■初タイトル獲得のチャンスをうかがうボッタス
逆に、第2戦のバーレーンと第3戦中国で連続2位に入ったボッタスは、自分にも十分にF1タイトルを狙うチャンスがあると考えている。
「ああ、それが僕の目標だし、そうしていかなくてはならないよ」とボッタスはスペインの『AS』紙に語った。
タイトルをとるためには、チームメートのハミルトンに勝ち続ける必要があるボッタスだが、その可能性について質問されたボッタスは次のように答えている。
「僕は自分自身を信じているし、できるはずだ。それが目標だよ」
■今のハミルトンは本調子ではないとヴォルフ
メルセデスを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフも、ハミルトンはもっと調子を上げる必要があると考えている。
「クルマもそうだったが、彼も今週末は本調子ではなかったようだ」
中国GPが行われた上海でそう語ったヴォルフは次のように付け加えた。
「私は今でも彼が最高のドライバーだと思っている。ただ、最高のドライバーであっても100%ではない日もあるものなんだ」
■ハミルトンに好不調の波があるのはいつものこと
2016年のF1チャンピオンであり、かつて数年間にわたってハミルトンのチームメートであったニコ・ロズベルグも現在のハミルトンは絶好調ではないと考えている。
「ルイスは調子を落としているね。だけど彼には常にそういう時期があるんだ」
自身がF1解説者を務める母国ドイツのテレビ局『RTL』にそう述べたロズベルグは、「彼は自信が持てなくなるといろいろ考え始めてしまい、ミスを犯してしまうんだ」と続け、次のように付け加えた。
「彼がバクー(次戦F1アゼルバイジャンGP/29日決勝)で復活してくるかどうか、ものすごく興味があるよ」