ザントフォールト・サーキット(オランダ)のオーナーが、F1オランダGPを再び開催できるチャンスはそれほど大きくはないだろうと認めた。
近年、オランダ国籍のマックス・フェルスタッペン(レッドブル)が活躍を見せていることもあり、オランダで再びF1を開催しようという動きが大きくなっていると伝えられている。
そしてその開催地としては1985年までF1を開催していたザントフォールトか、近年MotoGPなどのレース開催実績を持つTTサーキット・アッセンが有力候補だろうと言われている。
■オランダGPが復活する見込みは小さい
だが、ザントフォールトのオーナーであるベルンハルト・ファン・オラニェはオランダの『Formule 1(フォーミュレ1)』誌に次のように語った。
「我々はリバティ・メディアと交渉を行っている。だがそれが成功するチャンスはそれほど大きくはない」
「多くの国はF1開催に向けてどんな額でも支払う用意をしている。リバティ・メディアへの支払いだけで2千万ドル(約21億円)も必要となるが、チケット販売だけでそれを回収できるサーキットなどないよ」
「だから、投資家たちからもっと資金を調達する必要がある。今我々はそれに取り組んでいるんだ」
■ヨーロッパはもはや飽和状態
ファン・オラニェはさらに、ヨーロッパで今以上にF1レースを増やしてもオーナーのリバティ・メディアにはそれほどのメリットはないだろうし、彼らのレーダーは違う方向へ向けられているはずだと次のように続けた。
「リバティは自分たちとしてはヨーロッパの伝統的レースを開催することを望んでいると言っているが、同時に、ヨーロッパであまりにも多くのレースを開催しても意味がないことだ」
「彼らにとってはメキシコのような新たな市場のほうがより興味深いはずだよ」
「プロモーターという立場から言えば、かなり困難な話だ。だが、チャンスがある限りは、我々も努力を続けるよ」
■アッセンが有利だと見るのは間違い
最近、F1競技委員長を務めるFIA(国際自動車連盟)のチャーリー・ホワイティングがTTサーキット・アッセンの視察調査を行ったことが報じられており、もしオランダGPが復活することになれば同サーキットがその開催地となる可能性が高まってきているようだと報じられた。
だが、こうした情報について質問を受けたファン・オラニェは次のように語った。
「ホワイティングは我々のところにも来ていたんだ。だから、それは何の意味も持たないよ」