メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフは、F1オーナーのリバティ・メディアにとっては今年が正念場となるだろうと語った。
ヴォルフは、昨年F1新オーナーとなったアメリカのリバティ・メディアにとって、2017年は「猶予期間」だったと考えている。
ヴォルフは2017年から今年にかけてのリバティ・メディアの采配(さいはい)についてドイツの『Stuttgarter Nachrichten(シュトゥットガルター・ナッハリヒテン)』次のように語った。
■2年目の今年はリバティの真価が問われる
「決断を下すのは簡単なことではないし、観客席から監督を批判するのは常に簡単なことだよ」
「だが、私の目から見ればすべての決断がよいものだったとは言えないね」
ヴォルフは失敗のひとつの例がグリッドガールの廃止だったと語るとともに、リバティ・メディアが掲げた素晴らしいF1グランプリを新たに増やしていくという目標を本当に達成できるのかどうかは疑問だと次のように続けた。
「うまくいけば、ニューヨークやサンフランシスコ、あるいはマイアミで行われるようになるかもしれないし、ヨーロッパやアジアで魅力的なレースが行われるかもしれない」
「私はその成り行きを2年目に見ていきたいと思う。それまではリバティを評価するのはフェアではないと思うからね」
■リバティにはエクレストン同様の力を証明する必要がある
ヴォルフは、2016年までF1最高権威の座にあったバーニー・エクレストンがいないことをさびしく思うと次のように続けた。
「全盛期においては、バーニーは大きな契約をとりつけることに秀でていた」
「彼が政府を訪ねてシンガポールGPの誕生を夢見ていると言えばそれが実現したんだ。今の首脳たちもそれと同じことができると示さなくてはならないよ」
■自分の首も絞めているリバティ
ヴォルフはさらに、リバティ・メディアが全員を満足させようと努めていることが新たな問題を生むことにもつながっていると考えている。
ヴォルフはリバティ・メディアがF1を開催するサーキットの主催者たちを集めて会合を開いたことに言及しながら次のように語った。
「もはやバーニーはいない。そしてリバティは突然サーキットの主催者同士が結束したことで苦しい立場に置かれている。誰もが自分たちの契約に関して再交渉したいと思っているからね」
■2018年の予選は3強チームがきっ抗?
最後に、2018年シーズンはどのチームが競争力を発揮すると思うかと質問されたヴォルフは、「私は占いは得意ではないんだ」と答え、次のように付け加えた。
「だが、テストの様子から見て私が唯一導き出すことができた答えは、1周の速さではフェラーリ、メルセデスAMG、そしてレッドブルの差は比較的小さいということだね」