「F1を去るのはフェラーリの自由だ」
そう語ったのはF1統括団体でもあるFIA(国際自動車連盟)のジャン・トッド会長だ。
■新オーナー方針に反発してF1撤退を示唆するフェラーリ
昨年10月にF1新オーナーのリバティ・メディアが2021年以降に導入する新F1エンジンルール案を提示するとともに、今後F1チームの年間予算に一定の上限値を設けていきたいという方針を明らかにした。
だが、これに反対するフェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは、現在F1チーム、FIA、そしてF1商業権管理組織であるFOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント)の間で結ばれている「コンコルド協定」が満期を迎える2020年限りでF1から撤退する可能性もあるとおどしをかけている。
マルキオンネはさらに先週スイスで開幕したジュネーブモーターショー2018の会場でも、そうした威嚇的な発言を繰り返したことが報じられている。
■フェラーリの持つ「拒否権」撤廃に動くFIA
だが、ひょっとするとフェラーリとF1の関係はさらに悪化する可能性もありそうだ。
トッドは、これまでフェラーリがF1活動をする上で歴史的に持っていた特権である「拒否権」を撤廃したいという考えを示し、次のように語った。
「エンツォ・フェラーリ(フェラーリ創設者)の時代には、彼らがシャシーとエンジン両方を製造する唯一のチームだったんだ。だから彼らには保護が必要だった」
「時代は変わったんだよ」
■フェラーリがF1を去るなら仕方のないこと
ミハエル・シューマッハを擁して黄金期を築いた時期にフェラーリのチーム代表を務めていたトッドは、今回マルキオンネがF1撤退を示唆しているからといってフェラーリだけを特別扱いするわけにはいかないと考えている。
「もしフェラーリが去るというのなら、それは彼らの選択だ。彼らは自分たちが望むようにすることができるんだからね」
そう語ったトッドは次のように付け加えた。
「もちろん、私も彼らがそうしないことを望んでいるよ。だが、その可能性も否定はできないよ」