レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーが、フェラーリの姿勢を強く批判した。
フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネは、F1オーナーのリバティ・メディアが掲げた2021年以降のF1エンジンルールや、チームの年間予算に上限値を定めるという方針に対し、もしそれを実行するつもりならフェラーリはF1から去ることになるだろうとおどしをかけている。
さらに、マルキオンネが最近、リバティ・メディアはF1の技術面に関しては何も分かっていないと発言したことも報じられている。現在、かつてフェラーリやブラウンGPでF1タイトルを獲得した有能な元F1エンジニアであるロス・ブラウンがF1モータースポーツ責任者としてリバティ・メディアを補佐しているにもかかわらずだ。
■マルキオンネの発言は失礼だ
ホーナーは、こうしたマルキオンネの発言について、スペインの『El Confidencial(コンフィデンシアル)』に次のように語った。
「私は、あれはF1の歴史において素晴らしい成功を収めたエンジニアであるロス・ブラウンに対して失礼だと思う」
「私はリバティはこのビジネスをよく理解していると思っているし、何が最善なのかを決めるのは彼らの責任だと思っている」
■F1運営の責任はチームではなくオーナーとFIAにある
リバティ・メディアが掲げた2021年以降のプランに関しては、フェラーリばかりでなくメルセデスやルノーも反対の意思表示を行っている。
だが、ホーナーは次のように主張した。
「それは我々にとって、あるいはフェラーリやメルセデスにとって悪いことかもしれない。だが、F1をどうしていきたいのかということを決定しなくてはならないのはリバティなんだ」
「2つの戦場が生まれるのは避けられないことだ。FOM(フォーミュラ・ワン・マネジメント/F1オーナーが運営するF1の商業権管理組織)とFIA(統括団体である国際自動車連盟)がルールを作ることになる。そして自分たちがそれに参加するかどうかを決めるのはチームだよ」
■フェラーリのやり方には賛同できない
ホーナーは、そうした観点のもとに、レッドブルとしてはルール策定者に委ねることになるだろうとしている。
「我々としてはいかなる影響も及ぼすつもりはないよ。このF1選手権はFIAとFOMによって運営されているわけだし、自分たちがどうしたいのかをはっきりさせるのが彼らの仕事だからね」
そう語ったホーナーは次のように付け加えた。
「もちろん、誰だってフェラーリに続けて欲しいと望んでいるし、あれほどF1を象徴するチームと戦うのは素晴らしいことだ。だがあんなふうに身代金目当てにF1を人質にとるようなまねをするのは間違っているよ」