今年8年ぶりにF1の世界へ戻り、ウィリアムズのリザーブ兼開発担当ドライバーを務めているロバート・クビサだが、マクラーレンのフェルナンド・アロンソと同じように今年のWEC(世界耐久選手権)に出走することになるかもしれない。
■バルセロナテスト最終日にシートをゆずったクビサ
2月下旬から2回に分けて合計8日間に及ぶ今年のF1シーズン前テストも9日(金)が最終日だった。
本来、9日のテストに出走が予定されていたクビサだが、自主的に今季ウィリアムズからデビューすることが決まっているロシア人ドライバーのセルゲイ・シロトキンに走行チャンスを提供していた。
「チームが僕にそうしろと言ったのか、あるいは僕が自主的にレギュラードライバーたちを優先させたのかは問題ではないよ。だけど、そう進言したのは僕だったんだ。なぜなら天候も温暖だったし、ポイントを獲得しなくてはならないのは僕ではなくレギュラードライバーたちだからね」
■今季型車の強みや弱みはすでに理解できた
最終的に今季ウィリアムズのシートを獲得することはできなかった33歳のクビサだが、ここ数年苦戦が続いているウィリアムズにとっては貴重な存在だと考えられている。昨年F1デビューしたばかりの19歳のランス・ストロールと今年デビューする22歳のシロトキンというウィリアムズのドライバーラインアップは非常に若く、まだ経験値も低いためだ。
クビサは次のように続けた。
「僕にとってはクルマを理解してその強みや弱みをエンジニアたちに説明するには木曜日(8日)の午前中だけで十分だったよ」
■クビサが指摘したFW41の課題は?
今年のウィリアムズF1マシンFW41が抱えている問題はどういうものなのかと尋ねられたクビサは次のように答えた。
「それはエンジニアたちの部屋の中だけの話にとどめておかないとね」
「だけど、僕はクルマのバランスと感触を改善するためにはどうしたらいいか、はっきりとした考えを持てているよ。まだクルマの挙動やタイヤの感受性の部分に課題が残っているんだ」
「ランスとセルゲイに自信を持たせるには、タイヤのウィンドウ(性能が発揮できる幅)をもっと大きくすることが必要だよ。彼らはまだ経験がかなり不足しているからそれが重要なんだ」
■グレアム・ロードン率いるWECチームに加入か
ともあれ、9日には予定していた走行を行わなかったクビサだが、その後かつて2015年までマノーのディレクターを務めていたグレアム・ロードンと話し合いを行っているところが目撃されていた。
ロードンは、現在はマノー・スポーツを率いてWECに参戦しており、今年は最高峰カテゴリーであるLMP1にエントリーすることになっている。
そして、クビサはマノーと2018年のWECレースに出走する契約を結ぶことになるだろうと考えられている。
ロードンと会っていたことについて質問されたクビサは、次のように答えた。
「僕が彼と話したことは秘密でも何でもないよ。僕は彼らのところでテストもしたしね」