8日(木)に行われたシーズン前公式テストでフェラーリのセバスチャン・ベッテルがバルセロナ-カタルーニャ・サーキットのコースレコードを更新してみせた。だが、メルセデスAMGのルイス・ハミルトンはそのことは心配していないと語っている。
■ハイパーソフトタイヤでコースレコードを刻んだベッテル
ベッテルが8日に1分17秒182というトップタイムを刻んだときにはピレリが今年から導入した一番軟らかいコンパウンドであるハイパーソフトを履いていた。そしてそのときベッテルは燃料をあまり搭載しない状態で予選シミュレーションを行っていたものだと考えられている。
■ハイパーソフトを持ち込まなかったメルセデスAMG
一方で、メルセデスAMGはバルセロナでのシーズン前テストにはそのハイパーソフトをまったく使う予定にしていない。
メルセデスAMGのエンジニアを務めるアンディ・ショブリンはその理由を次のように説明している。
「こういう気温ではそれ(ハイパーソフトタイヤ)について学べることはそれほどないからね」
■自分たちの方が有利だとハミルトン
ベッテルのタイムについて感想を求められたハミルトンも次のように語った。
「それがいいタイムなのかそうじゃないのか、僕には分からない。それに僕は本当に気にしていないんだ。テストに過ぎないからね」
「僕たちはまだ燃料を少なくして走っていないし、クルマがどこまでやれるか分からないよ。僕はそれ(ベッテルのタイム)がよいものであることを望んでいるよ。それはつまり、レースは僕たちの手の内にあるってことだからね」
■フェラーリの実力は3番手?
実際のところ、フェラーリがそのベッテルのタイムに喜んだかと言えばそんなことはなかったようだ。伝えられるところによれば、フェラーリのチーム代表を務めるマウリツィオ・アリバベーネがタイムを見た後、血相を変えてハースのガレージに足を運んだという。
それはフェラーリPUを搭載するハースのケビン・マグヌッセンがベッテルから1.2秒ほどの差しかない2番手タイムを刻んだためだ。アリバベーネがハースのガレージに向かったのはマグヌッセンがそのタイムを出したときにどれほどの燃料を搭載していたのかを確認するためだったと考えられている。
伝えられるところによれば、ルノーがGPSから得たデータを分析したところ、メルセデスAMGは間違いなくレッドブルよりもコンマ3秒速く、フェラーリは現時点では3番手の速さしかないという結果が出たという。
■メルセデスの方が前にいるとベッテル
25日に決勝が行われる今季の開幕戦オーストラリアGPでポールポジションを取ることができそうかと質問されたベッテルは8日に次のように答えている。
「分からないよ!」
「もちろん、そのために僕たちは頑張っている。だけど、今はまだそれははっきりしていない」
「メルセデスAMGは先週すごく速かったし、今週も同様だ。彼らの方が前にいるよ。だけど、ほかのチームが実際に何をやっているのかなんて決して分からないんだ」
■フェラーリの信頼性は?
一方、テスト走行中のベッテルの2018年型車SF71Hから煙が上がるといった光景も発生していた。だが、ベッテルは自分たちのエンジンの信頼性には問題はないと次のように主張した。
「僕たちはそれについては理解できているし、問題ではないよ。写真では大変そうに見えたとしてもね」
■フェルスタッペンもメルセデスのリードを予想
一方、今季のチャンピオン候補の一角にも名前があげられているレッドブルのマックス・フェルスタッペンも、今年もやはり最強はメルセデスAMGで変わりがないと見ているようだ。
「(レッドブルの)クルマは昨年よりも明らかによくなっているよ」
そう語った20歳のフェルスタッペンは、ベッテルが出したタイムについて質問されると次のように答えた。
「確かにあれはいいタイムだったね。だけどあれは予想できていたよ。メルセデスAMGがトップだろうと予想していたようにね。僕たちも可能な限り接近できることを期待するだけさ」