「トロロッソ・ホンダはマクラーレン・ルノーより強くなる」
そう語ったのはトロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストだ。
■バルセロナテストで安定感を示すトロロッソ・ホンダ
2月下旬から2回に分けてトータル8日間におよぶシーズン前テストが始まったが、そのテストもいよいよ9日(金)が最終日となる。
今季からトロロッソのワークスPU(パワーユニット)サプライヤーとなったホンダだが、マクラーレンと組んでいた2015年から2017年にかけてのこのシーズン前テストには苦い思い出しかないはずだ。
だが、今季のテストではここまでのところホンダPUにトラブルらしいトラブルはほとんどなく、昨年までの不振がうそだったかのように快調に多くの周回を重ねることができている。
しかも、8日(木)にはメルセデスAMG勢が違うプログラムを行っていたことは容易に想定できるものの、トロロッソ・ホンダのピエール・ガスリーが3番時計を刻んで見せるなど、スピードも申し分のないレベルに仕上がってきている。
その一方で、皮肉なことにホンダを見限って今季からルノーPUを搭載することを選択したマクラーレンは今年もトラブルに苦しめられ続けている。
■ホンダもテストの成り行きに満足
スペインの『Marca(マルカ)』は、日本でF1ジャーナリスト・F1解説者としておなじみの川井一仁氏に対して、ホンダは今の状況に満足しているかと尋ねたところ次のような返事が返ってきたと報じている。
「もちろん彼らは満足していますよ」
「ただそれはマクラーレンが問題を抱えているからではなく、非常によく似たエンジンで彼らの方が速く走ることができているからです。つまりパワーユニットの調子がよく、信頼性がある。それが彼ら(ホンダ)が満足している理由です」
「マクラーレンはずっとホンダを悪く言っていましたが、それでもホンダはマクラーレンと手を切りたくはなかったんです。しかし、そうなってしまいました。今ではホンダはより落ち着きを見せていますし、彼らのエンジンがよいものであり、今後もさらに改善が見込めることに満足しています」
■トストという理解者に恵まれたホンダ
『Marca(マルカ)』はさらにもうひとりの日本人ジャーナリスト福江剛司氏の次のようなコメントも紹介している。
「彼ら(ホンダ)はトロロッソとの方がやりやすいと言っています」
それは、トロロッソを率いるトストがホンダのことをよく知っているということが大きく作用しているかもしれない。
オーストリア出身のトストはかつて7度F1チャンピオンの座についたミハエル・シューマッハの弟ラルフ・シューマッハのマネジャーを務めていたことで知られているが、ラルフ・シューマッハが1996年にフォーミュラ・ニッポンに参戦した際一緒に日本を訪れ、ホンダと共に仕事をした経験を持っている。
■マクラーレン・ルノーには勝てるとトスト
そのトストはスペインの『AS』紙に次のように語った。
「我々はホンダと一緒にやれて非常にうれしく思っている」
「彼らが我々に非常に競争力のあるパッケージを提供してくれると確信しているし、シーズンを通じて大きく前進できるはずだ。そして終盤になれば非常に戦闘力のあるクルマを手にすることができるだろう」
「我々の目標は中団グループのトップに立つことだ」
そう語った62歳のトストは次のように付け加えている。
「私はマクラーレンのことに興味はない。だが、最終的には彼らよりももっと競争力のあるパッケージを手にすることができるはずだと確信しているよ」