メルセデスのモータースポーツ責任者を務めるトト・ヴォルフが、今年同チームで2年目を迎えるバルテリ・ボッタスにはもはや「言い訳は許されない」と語った。
2016年にF1ドライバーズタイトルを獲得したニコ・ロズベルグがその後突然のF1引退を表明したことから、フィンランド人ドライバーのボッタスが急きょウィリアムズから引き抜かれる形で2017年にルイス・ハミルトンのチームメートを務めることになった。
■今季正念場を迎えるボッタス
ボッタスはそこから新チームに溶け込む努力をしながら、ポールポジションを4回獲得し、3勝をあげる働きを見せた。ボッタスの表彰台獲得回数はハミルトンと同じ13回だったものの、ハミルトンは9勝をあげて通算4回目のF1チャンピオンに輝いており、その差は歴然だったと言うしかないだろう。
2017年には1年契約でメルセデスAMGに迎え入れられたボッタスだが、2018年も契約を延長できたものの、やはり今年も1年契約となっている。2019年にはレッドブルのダニエル・リカルドなどがメルセデスAMGのシート獲得を視野に入れているともうわさされており、ボッタスが2019年もメルセデスAMGに残留できるかどうかは、今年の成績いかんにかかっていると言っていいだろう。
■今年はドライビングに集中できる
だが、ボッタスには今年は昨年以上の活躍を見せることができるという自信があるようだ。
「今ではプレッシャーもだいぶ小さくなったよ」
母国フィンランドの『Iltalehti(イルタレティ)』にそう語ったボッタスは次のように続けた。
「僕はルイスと一緒に1シーズンを過ごしたし、今ではチームにも溶け込めている。自分が最高のレベルになれば、僕はポールもとれるしもっと優勝もできるよ」
「昨年の2月には、僕はチームのことを知る必要があった。だけど今は自分のパフォーマンス改善だけに集中することができる。ドライビングにもっと集中することができるんだ」
■高い目標をクリアすれば何も問題はないはず
ボッタスもほかのライバルたちが自分のシートを狙っていることは分かっている。だが、ボッタスは余計なことは考えずに2018年には可能な限り自分のドライビングに集中していくだけだと主張している。
「今の段階では、契約問題は完全に二の次だよ」
「もう少し後になってから考えることになるだろうね。僕の目標はすごく高いから外からのプレッシャーなど気にするひまもないよ」
「もし僕がその目標を達成することができれば、間違いなく契約には何の問題もないはずだからね」
もちろんボッタスが言う「高い目標」とは初のF1ドライバーズタイトル獲得だ。
■ボッタスに負けるつもりはないとハミルトン
一方、今季通算5回目のF1ドライバーズタイトル獲得を目指すハミルトンは、ボッタスが今季強さを発揮してタイトル争いに加わってくることを心配しているかと尋ねられると次のように答えた。
「いいや」
「だけど、それは誰に対してもそうだと言えるよ。バルテリだからってわけじゃないんだ」
「彼は昨シーズン終盤のレースではものすごくよかったし、(今年は)彼はすごく力を発揮すると予想しているよ。でも、それは僕も同じさ」
■言い訳ができないことはボッタスも分かっている
そして、2016年まではボッタスのマネジメントチームの一員でもあったヴォルフは、今年はボッタスが本当の意味でハミルトンに対する挑戦者となってくれることを期待していると次のように語った。
「もし彼(ボッタス)がステップアップしてルイスに挑戦できるようになれば、間違いなく彼はF1のトップドライバーの仲間入りを果たすことになるだろう。もしそうできなかった場合、言い訳はできないってことも彼は分かっているさ」