ハースF1のチーム代表を務めるギュンター・シュタイナーが、来年以降もF1のシーズン前公式テストがバーレーンで開催されることはないだろうとの見解を示した。
■雪に見舞われた今年のバルセロナテスト
2月26日からバルセロナで4日間にわたって行われた今季最初の公式シーズン前テストだが、連日低気温に悩まされ、特に28日(水)には雪でほとんどまともに走行できないという事態を迎えてしまった。
F1チームはその分を埋め合わせるためにテストを1日延長する方向で話し合いを行ったものの、全員一致での合意には至らなかった。
イタリア出身のシュタイナーは、それは当然の話だと次のように語った。
「我々のうち2者が合意することを想像するのも難しいのに、ましてや10チームすべてなんてなおさらだよ」
■シーズン前テストは温暖な中東で行うべきか?
今年のバルセロナが例年よりもかなり寒かったのは確かだが、それでも以前からヨーロッパ地域で「冬のテスト」とも呼ばれるシーズン前テストを行うのは間違いだという意見があるのも事実だ。
「仮にいい天気だったとしても、あまり意味がないとも言えるよ。タイヤに熱を入れるのがすごく難しいからね」
そう語るのはトロロッソのチーム代表フランツ・トストだ。
「私は何年も前からテストはバーレーンかアブダビでやるべきだと主張してきたが、残念ながら全員が私の意見に同意してはくれなかった」
「今後は、彼らも考えを変えてくれるかもしれないがね」とトストは『Speedweek(スピードウィーク)』に付け加えた。
■中東でテストを実施する場合の課題は?
温暖な気候のバーレーンなどでテストができるにこしたことはないが、それを実現するにはコストが増大するという大きなハードルがある。
シュタイナーはさらに、ヨーロッパに拠点を置くチームにとってはファクトリーとテスト会場間の輸送問題も大きなネックになると主張している。
「我々のところに毎日どれくらい新しいパーツが届けられるか分からないだろう。信じられないほどだよ」
「イギリスあるいはイタリアからバンにパーツを積んで8時間かけてここに到着するんだ。我々のところには常にクルマで往復運転している人たちがいるよ」
そう語ったシュタイナーは、次のように付け加えた。
「もしバーレーンでやることになれば、新しいパーツを空輸するためにプライベート機を手配できるのはほんのいくつかのチームだけさ」