2014年4月までフェラーリのチーム代表を務めていたステファノ・ドメニカリが、フェルナンド・アロンソが今年F1とかけもちでWEC(世界耐久選手権)に参戦することを決めた理由を推測した。
アロンソがフェラーリに在籍していた2014年にチーム成績不振を理由に事実上更迭されてしまったドメニカリは、現在はイタリアの名門スポーツカーメーカーであるランボルギーニのCEO(最高経営責任者)を務めている。
■アロンソの目的は実力の証明
そのドメニカリは、かつて共に戦ったアロンソがF1以外のレースに参戦するのは、自分の力がまだ世界第一級レベルにあることを証明するためではないかと考えている。
世界3大自動車レースと称されるF1モナコGP、インディ500マイルレース、ル・マン24時間レースすべてで優勝するという“3冠達成”を目標に掲げているアロンソは昨年にはインディ500に挑戦、そして今年はル・マン24時間レースを擁するWECにトヨタチームの一員として参戦することになっている。
「フェルナンドはF1以外に挑戦できるものを探しているんだ。彼が所属するチームは困難な時期にあるからね」
母国イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』にそう述べた52歳のドメニカリは次のように付け加えた。
「彼は自分の腕を示したいのさ。自分はまだ世界最高レベルなんだということを証明するためにね」
■アロンソ、ハミルトン、ベッテルは横一線
実際のところ、ドメニカリも2006年以来F1タイトルから見放されているとはいえ、今でもアロンソが最高レベルのドライバーであることは間違いないと考えている。
「誰が一番強いか? (ルイス)ハミルトンだろうか? それを分析するのは難しいね」
そう語ったドメニカリは次のように続けた。
「予選でうまくやれる者もいるし、レースで強い者もいる。心理面での強さを持つ者もいるからね」
「現時点では3人のトップドライバーたちがいる。アロンソ、ハミルトン、そして(セバスチャン)ベッテルだ。彼らにはほとんど差はなくて、彼らが乗るクルマ次第だね」
■2018年F1も三つどもえの戦いに
そう語ったドメニカリは、2018年シーズンの展望について尋ねられると次のように答えている。
「私は今年もフェラーリとメルセデスAMGの戦いになると見ているよ。だが、レッドブルも忘れてはならない。彼らもいくつかのレースで勝利するはずだ」
一方、自身が率いるランボルギーニのF1参戦可能性について質問を受けたドメニカリは次のように答えている。
「ランボルギーニにとってF1は優先事項ではないんだ。少なくとも今後5年間はね」