2018年からホンダと手を組むことになったトロロッソでは、マクラーレンと同じような失敗を犯さないための対策に取り組んでいるようだ。
2015年に開始されたマクラーレンとホンダのプロジェクトだが、その関係は3年で終止符が打たれてしまった。このプロジェクトがうまく機能しなかった原因のひとつにはイギリスのマクラーレンと日本のホンダとの間にかなり文化的な溝があったことがあるのではないかと言われている。
■日本の文化を学ぶトロロッソのスタッフたち
そして、ホンダは今年からレッドブルのジュニアチームであるトロロッソにワークスエンジンの供給を行うことになっている。
トロロッソのチーム代表を務めるフランツ・トストは、イタリアにあるチーム本部のスタッフに自分たちとは非常に異なる日本の文化を理解させることがこのプロジェクトを成功させるためのカギとなるだろうと考えている。
「日本の文化をよりよく理解するために、セミナーやワークショップを開催しているし、我々の従業員たちも非常に興味を示しているよ」
ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』にそう語ったトストは、次のように続けた。
「我々は誰もが日本には独自の文化があることを知っているし、それと我々自身の文化を同期させることは本当にワクワクする挑戦だよ」
「それを達成できるという自信がなければ、我々は決してこのプロジェクトを進めようとは思わなかったはずだ」
■2018年型車開発に遅れはない
トロロッソが2017年に搭載していたルノーエンジンとホンダエンジンにはかなりの違いがあると言われている。トロロッソが今年ホンダエンジンにスイッチするのが決まったのは昨年9月のことであり、タイミング的には2018年型車の設計開発面で不利になったはずだと考えられている。
だが、トストはそうした推測を否定し、次のように続けた。
「実際のところ、これほど早く決定したのは珍しいことなんだ」
「2年前にフェラーリ(エンジン)に替えることを決めたのは12月だったことを思い出して欲しいね。だが、我々はなんとか期限に間に合わせたよ。自分たちのトランスミッションを使うことで工程を簡略化できるんだ」
■2018年の目標は中団での順位争い
そう語ったトストだが、ホンダと組む初年度の2018年には過度の期待はしていないと主張している。
「我々の現実的な目標は中団での順位争いだ」
「全体的に見て、大きな変化が起きるとは思っていないよ。私はメルセデスが強いだろうと思うが、もちろんレッドブルやフェラーリがタイトル争いをすることを期待している」
そう語ったトストは、次のように付け加えた。
「正直に言えば、フェラーリよりもっとレッドブルに期待しているよ」