かつてトヨタなどで活躍した元F1ドライバーのミカ・サロが、ウィリアムズは2018年F1シーズンに向けて“ハングリー”なドライバーラインアップで臨むことになるとの見解を示した。
51歳となったフィンランド出身のサロは、現在はロシアのドライバー育成プログラムとして知られるSMPレーシングのスポーティングディレクターを務めている。
ウィリアムズは16日(火)に、ついにそのSMPプログラムの一員である22歳のロシア人ドライバー、セルゲイ・シロトキンが2018年にランス・ストロールのチームメートとしてフルタイムドライバーを務めることを正式発表した。
一時はウィリアムズから8年ぶりにF1復帰を果たすことになりそうだと言われていたポーランド人ドライバーのロバート・クビサは、結局レースシート獲得はならず、ウィリアムズと控え兼テストドライバー契約を結んだことが明らかとなっている。
■ウィリアムズはシロトキンとすぐに合意に達していた
ウィリアムズでは正式に2018年のドライバーラインアップを発表するのにかなり時間をかけたものの、サロいわく、実際には「ウィリアムズとはすぐに合意に達していた」のだという。
サロは母国フィンランドのテレビ局『MTV』に次のように続けた。
「交渉にはそれほど時間はかからなかったよ」
「ウィリアムズはシロトキンにとって最善の選択肢だ。いいチームだし、彼は若いチームメートを持つことになるが、どちらも間違いなくハングリーだ」
■シロトキンは「ペイドライバー」ではないとサロ
2017年に18歳でF1デビューを飾ったストロールは、大富豪である父親が持ち込む資金によってウィリアムズのシートを獲得できた「ペイドライバー」だと言われることも多い。
そして、今年ウィリアムズのシートを獲得したシロトキンもSMPレーシングの後ろ盾となっているSMP銀行を通じて2千万ドル(約22億円)以上の資金を持ち込むことになると伝えられており、やはり「ペイドライバー」に過ぎないとの見方もある。
だが、サロは、そうした見方は間違っていると次のように主張した。
「彼は賢い男だよ。エンジニアリングやテクノロジーに関してもかなり詳しいし、ルノーでF1マシンも経験してきている」
■ストロールとシロトキンはほぼ互角?
そう語ったサロだが、2018年にシロトキンとストロールのどちらがよりいいパフォーマンスを発揮して見せることになりそうかと尋ねられると、次のように答えた。
「私は、彼らの力量はほぼ同じだと考えている。だが、実際にレースが始まるまでは分からないがね」
「彼らはお互いにハードな戦いを繰り広げることになるだろう。それによってチームも前進を果たすことができるし、どちらにとってもよい結果をもたらすことになる」
一方、SMP銀行のオーナーであるボリス・ロッテンベルグは『RIA Novosti(ロシア・ノーボスチ通信社)』に次のように語った。
「2018年に、我々はウィリアムズそしてセルゲイ・シロトキンとともにF1デビューを果たすことになる」
「これがロシアのファンにとって喜ばしいことなのは間違いないし、ロシアにおけるモータースポーツの発展に大きな影響を及ぼすものだ」