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年間3台までの2018年F1エンジンルールに疑問を呈する声

2018年01月16日(火)18:18 pm

F1関係者の中にも2018年のエンジンルールに疑問を感じている者も少なくないようだ。

2018年のF1は昨年よりも1レース多い全21戦で争われる予定になっている。だが、ドライバー1人につき年間に使用が認められるエンジン数は昨年が4台までとなっていたのに対し、今年は3台までとさらに1台減らされることになっている。

2017年もルノーやホンダが使用台数制限を超える多くのエンジンコンポーネントを投入したことで大幅なグリッド降格ペナルティーを受けたドライバーが多かったことは記憶に新しい。もしエンジンの信頼性が格段に向上するようなことがなければ、2018年も同じようなグリッド降格ペナルティーを受けるドライバーを目にすることになりそうだ。

この年間使用可能エンジン数のルールは現行エンジンルールが導入された時点ですでに定められていたもので、本来はエンジン開発コスト削減することをその主たる目的としていたものだ。そしてF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)では2018年シーズンを迎えるにあたり、そのルールを修正する必要があるとは考えていない。

■使用可能エンジン数が減ってもコスト削減にはつながらない

そんな中、2014年からF1タイトル4連覇を達成したメルセデスでエンジン責任者を務めるアンディ・コーウェル(マネジングディレクター)でさえ、年間許容台数が4台から3台に減ってしまうのは大きな問題だと考えている。

コーウェルは、イタリアの『Corriere dello Sport(コリエーレ・デロ・スポルト)』に次のように語った。

「すごく大変だよ。なぜなら、メーカーには事実上多くのパーツを作り直す必要が出てくるからね」

「我々は少なくとも80台から100台のエンジンを造って動力検査システムでテストを行い、その中から最高の信頼性と動力特性を示す3台か4台を選ぶことになるんだ」

「それには巨額のコストがかかるし、メーカーにはその元を取ることなどできないよ」

■すでにF1エンジンの価格はかなり引き下げられている

コーウェルが、年間のエンジン使用可能数をひとつ減らしたとしても本来の目的であるコスト削減にはつながらないという考えを示す一方、元F1ドライバーであり、かつて自分のF1チームを運営していたこともあるアラン・プロストは、そもそも現在のF1エンジンコストは昔と比べてもかなり下がっており、これ以上のコスト削減を目指す必要があるわけではないと主張している。

「(プロストGP時代の)2001年の私のエンジンコストは2,300万ユーロ(現在のレートで約31億円)だった。そして、もし我々が次の年も生き残ることができていたら、2,550万ユーロ(同約35億円)を支払っていただろう」

母国フランスの『Auto Plus(オト・プリュ)』にそう語ったプロストは、次のように付け加えた。

「今日のエンジン価格は1,200万から1,400万ユーロ(約16~19億円)ほどだ。つまり、どのメーカーもさらに複雑化しているにもかかわらず、エンジン価格を大きく引き下げているんだ」

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