メルセデスが今後もパスカル・ウェーレインへの支援を継続することを明らかにした。
■ウェーレインにF1キャリア消滅の危機
メルセデス所属ドライバーとして2015年にDTM(ドイツ・ツーリングカー選手権)で史上最年少チャンピオンとなったウェーレインは、2016年にマノーからF1デビューを果たした。
だが、マノーはその年限りで財政難によりチーム解散となり、翌2017年はメルセデスの支援を背景にザウバーへと移籍していた。
ところが、チーム体制が大きく変わったザウバーでは2018年にウェーレインに替えてフェラーリの育成ドライバーであるシャルル・ルクレール登用を決定。メルセデスでは行き場を失ったウェーレインをウィリアムズに移籍させようと試みたもののそれも失敗。ウェーレインはこのままF1から完全に姿を消すことになるかもしれないとさえ言われていた。
■今後もウェーレインへの支援を継続するとヴォルフ
だが、メルセデスのモータースポーツ責任者であるトト・ヴォルフはイタリアの『Autosprint(オートスプリント)』に、今後もウェーレインに対する支援を継続すると次のように語った。
「パスカルはF1に籍を置くにふさわしいんだ。彼は最速ドライバーのひとりだからね」
「現時点での空きシートという観点からすれば状況は少々困難だ。だが彼は間違いなく我々のチームにとどまるよ」
だが、ウェーレインがメルセデスでいったいどういう役割を担うことになるのかについてはまだ何も発表されていない。
「彼がF1以外のカテゴリーでレースをすることになるのかどうかはまだはっきりとはしていない。だが、間違いなく言えるのは彼が我々のチームの一員であり続けるということだ」とヴォルフは付け加えた。
■大規模チームは自分たちでリスクを負わない
ウェーレインをチームから外すという決断を行ったザウバーのチーム代表フレデリック・バスールは、若手ドライバーがこのF1というカテゴリーで確実に自分のキャリアを築いていくのは難しいことだと次のように語った。
「もし新人が非常に競争力を示したとしても、彼にとってそれほど簡単なわけではないんだ」
「メルセデスやフェラーリもそれを証明しているよ。彼らも自分たちの所属ドライバーであるオコン(フォース・インディア)やルクレールを自分たちのクルマに乗せるというリスクは負っていない。その賭けはあまりにも高くつくためだ」
母国フランスの『Auto Hebdo(オト・エブド)』にそう語ったバスールは次のように付け加えた。
「そのかわり、彼らはパートナーチームで自分たちのドライバーに経験を積ませるんだ。トップチームは彼らの若手ドライバーに自信を持っていないからね」