ルノーのニコ・ヒュルケンベルグが、カルロス・サインツをチームメートに迎えることができてうれしく思っていると主張した。
■シーズン途中にドライバー交代劇があったルノー
昨年までフォース・インディアに在籍していたヒュルケンベルグは今年からルノーに移籍し、このチームで2年目のF1シーズンを迎えていたジョリオン・パーマーとチームを組んだ。
ヒュルケンベルグは予選・決勝ともにパーマーを圧倒。パーマーは第16戦日本GP限りでお役御免となり、第17戦アメリカGP以降はサインツにシートを譲ることになった。
サインツはレッドブル所属ドライバーであり、2015年にジュニアチームのトロロッソでF1デビューを飾り、今年で3年目のF1シーズンを迎えていた。
トップチームであるレッドブルはダニエル・リカルドとマックス・フェルスタッペンという不動のラインアップが形成されており、サインツが近い将来昇格できる可能性は小さい。そのため、将来へ向けてのキャリアアップを望むサインツをレッドブルがレンタル移籍という形でルノーへの移籍を認めたものだ。
そしてそれが実現した背景には、マクラーレンがホンダと決別しルノーと契約したこと、さらにトロロッソがルノーと手を切り来季からホンダPU(パワーユニット)を搭載することになるといった一連の複雑な交渉がからんでいると言われている。
■ルノーでの初年度には満足できたとヒュルケンベルグ
そうした出来事はあったものの、ルノーで迎えた初めてのシーズンを終えたヒュルケンベルグは、大きなレギュレーション変更が行われ、昨年よりもスピードが大きく増したF1マシンで戦った今年は全体的に満足できるシーズンだったと母国ドイツの『Auto Bild(アウト・ビルト)』に次のように語った。
「ドライビングに関しては、ここまでのシーズンの中では最高だったよ。ドライバーとして、いままでこれほどよかったことはなかったよ。速いクルマの方が僕には合うね」
「僕は限界の走りができるし、それが楽しくもあるんだ。タイヤもかなりよくなったよ。すべてが正しい方向に進んだね」
だが、最初からサインツをチームメートとして臨むことになる2018年シーズンはヒュルケンベルグにとってもかなり大変になるのではないかと見ている者もいる。
■サインツの加入はルノーの成長にとって重要
30歳のヒュルケンベルグは2018年シーズンを最初からチームメートとして一緒に戦うことになるサインツについて次のように語った。
「カルロスとはかなりの接戦になるだろうということは完全に分かっていたことさ。結局のところ、僕たちはみんな水で料理をしているに過ぎないんだ」
「サインツには才能もあるし速い。僕たちはまだチームとしての関係を築き始めたばかりだ。だけど、カルロスはチームの成長にとって重要だよ」
2010年にウィリアムズでF1デビューを飾り、その後フォース・インディア、ザウバー、そしてまたフォース・インディアへ復帰するといったF1キャリアを歩んできたヒュルケンベルグにとって自動車メーカーのワークスチームで走ることが夢だったという。
評価の高い23歳のサインツをチームメートに迎えた2018年にヒュルケンベルグやサインツ、そしてルノーがどういう活躍を見せるのかに大きな注目が集まることになりそうだ。