フェラーリ会長のセルジオ・マルキオンネが、2020年を最後にフェラーリがF1から撤退する可能性があるとの発言を繰り返した。
■F1撤退は「真剣」な話だとフェラーリ会長
F1の新オーナーとなったアメリカのリバティ・メディアが主導する形で2021年以降に導入される新F1エンジンルール案が提示されたが、フェラーリやメルセデスなどはそのリバティ・メディア案に強く反対する姿勢を見せている。
マルキオンネは、その計画が見直されない限りフェラーリがF1から撤退する可能性があると示唆していた。F1関係者の中には、そうした発言は今後の交渉を有利に進めるための脅しに過ぎず、本当にフェラーリがF1を去ることはないだろうと考えている者もいる。
しかし、マルキオンネはそうした見方に対し、次のように主張した。
「我々は真剣だし、解決策を見いだすことが必要だ。私はチェイス(キャリー/F1最高責任者)も我々が引き下がるわけにはいかないということを理解していると思っている」
■一方でアルファロメオはザウバーと組んでF1復帰
しかし、一方でそうしたマルキオンネの発言に矛盾を感じている者も少なくないようだ。というのも、11月29日(水)に、マルキオンネがCEOを務めるフィアット・クライスラー社の傘下にあるイタリアの名門自動車会社アルファロメオが2018年にザウバーと組んでF1復帰することが発表されたためだ。
一方でフェラーリのF1撤退を示唆しながら、アルファロメオの参入を決めたということで、マルキオンネが本気で2020年限りでのF1撤退を考えているとは思えないと見るのも自然なことだろう。
アルファロメオと組むことになったザウバーのチーム代表を務めるフレデリック・バスールも「こうしたプロジェクトは常に長期的に設計されるものだ」と語り、アルファロメオのF1参入が長期的視野に立つものであることを認めている。
■アルファロメオも保証できるのは2020年まで
だが、マルキオンネはこの件についても、アルファロメオがザウバーとともにF1活動を行うと保証できるのは2020年シーズンまででしかないと主張している。
「アルファロメオとザウバーの契約は2020年から2021年にかかるところで満期を迎えることになる。そのときフェラーリはF1から去るかもしれない」
イタリアの『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』にそう語ったマルキオンネは次のように付け加えている。
「我々はこのスポーツ(F1)のために解決策を見いださなくてはならない。妥協案を見つけなくてはならないんだ」