ホンダF1プロジェクト責任者の長谷川祐介が、3年におよんだマクラーレンとの関係が解消されたのは、結果として正解だったとの見解を示した。
2015年からマクラーレンにワークスPU(パワーユニット)の供給を開始したホンダだったが、以後3シーズンにわたって結果を出すことができず、ついにマクラーレンから離縁状を突き付けられた形となってしまった。
今季限りでマクラーレンとの関係が解消されたホンダは、2018年にはレッドブルのジュニアチームであるトロロッソにワークスPUを供給することになる。
■3年の活動で対応力は向上できたホンダF1
長谷川はマクラーレンとの3年間を振り返りながら、ドイツの『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。
「最も厳しかったのは間違いなく最初の年でした。しかし3年目も簡単ではありませんでした」
「しかし、我々はこれまでの年よりは少し回復の速度を上げられたと思っています」
■F1から逃げることはない
長谷川は、マクラーレンとの決別で意気消沈することなく、トロロッソとの新しい時代に向けてこれまで以上に取り組んでいくと次のように続けた。
「モータースポーツは、ホンダにとって非常に重要なものです。それは我々のDNAに刻み込まれているのです」
「レースでは困難なことを迎えることがあるのも分かっています。しかしパフォーマンスと技術への挑戦が我々を突き動かしているのです」
「ですから、途中で投げ出しても意味はありません。それは私たちの性分には合わないものです」
■マクラーレンのようなトップチームとやる準備はできていなかった
そう述べた長谷川は、来年から組むトロロッソの方がホンダにとってはマクラーレンよりもいいパートナーとなるだろうと次のように続けた。
「トロロッソはそれほど長い歴史を持つチームではありませんし、彼らの方が柔軟性に富んでいます。意見交換もより簡単です」
「マクラーレンはトップチームです。そしてホンダはトップチームと組むだけの準備ができていなかったのです。それが事実です」
■これからもF1チャンピオンになる夢を抱き続ける
だが、今季も重大な信頼性問題を露呈してしまったホンダPUにとって、クルマ1台あたりの年間使用PU数が3台までに制限される2018年が厳しい年になるのも事実だろう。
「技術的には簡単ではありませんし、より一層厳しくなってきます。しかし、我々はすでにトロロッソと非常にうまく取り組むことができています」
そう語った長谷川は、次のように付け加えた。
「我々にとってはF1にとどまることが非常に重要なのです。我々はF1チャンピオンとなる夢を抱き続けなくてはなりません。それがあるから、我々は頑張り続けることができるのです」