スペイン出身の元F1であるマルク・ジェネが、フェルナンド・アロンソ(マクラーレン)が来年のル・マン24時間レースでデビューウィンを飾る可能性は十分にあると語った。
まだ正式発表は行われていないものの、先週有名なル・マン24時間レースを擁するWEC(世界耐久選手権)の最高峰カテゴリーであるLMP1で戦ったトヨタのマシンでルーキーテストに臨んだアロンソが、2018年のル・マン24時間に参戦する可能性が極めて高くなっていると考えられている。
■アロンソはル・マンでも十分に勝てる
かつてミナルディやウィリアムズのドライバーを務め、その後フェラーリのテストドライバーとなったジェネは数年にわたってフェラーリでアロンソと一緒に仕事をした経験を持っている。
現在43歳のジェネは、スペインの後輩F1ドライバーにあたるアロンソが2018年にル・マン24時間で優勝する可能性があると思うかと『AS』紙に質問されると、次のように答えた。
「もちろんさ」
「もし来年なら(自動車メーカー系チームは)トヨタだけだ。プライベートがル・マンで勝つのは非常に難しいことだからね」
「もしフェルナンドのテストが今回(バーレーン)だけだとしても、彼のドライビングのレベルからすれば、彼はすでに勝てる位置にいると私は思うよ」
■世界3大レース制覇に一歩前進の可能性
確かに、2016年に撤退したアウディに続き、2015年から3年連続での王座獲得を達成したポルシェも今季限りでWECから撤退することが決まっており、2017年のLMP1は大手自動車メーカーのワークスチームはトヨタだけとなってしまう。
実質的なライバルは同じトヨタのマシンだけという状況となるだけに、アロンソの乗るマシンが優勝を勝ちとるチャンスは大きいと言えるだろう。
そして、もしアロンソがル・マン24時間で優勝を果たすことになれば、アロンソが常々目標として掲げてきていた世界3大レース制覇が一歩前進することになる。
世界3大レースと言われるのは、F1モナコGP、ル・マン24時間、そしてインディ500だ。すでにアロンソはF1モナコGPで優勝を果たしており、もしル・マンも制覇すれば、残るのは今季初挑戦を行ったインディ500だけということになる。
「私は、彼がやろうとしていることは素晴らしいし、称賛に値するものだと思っている」
そう続けたジェネは、次のように付け加えた。
「フェルナンドはドライビングと競争を本当に愛しているドライバーだからね」
■アロンソはF1も続けるだろうとジェネ
今季はインディ500、そして2018年にはル・マン24時間への挑戦を目指している36歳のアロンソだが、こうした動きはアロンソがF1から去る時期が近づいていることを示唆するものだと思うかと質問されたジェネは、次のように答えている。
「いや、私はそうは思わないよ。彼が両方ともできるのはいいことだよ」
「マクラーレン・ルノーが来シーズンどれほどやれるか、様子を見ようじゃないか」