2016年に初のF1ドライバーズタイトル獲得と同時にF1を引退したニコ・ロズベルグが、旧友であるルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)と関係を改善したいと考えていると語った。
■親友から最大の敵へ―ロズベルグとハミルトン
子供時代に一緒にカートレースに出ていたころは親友の関係にあったロズベルグとハミルトンだが、2013年にハミルトンがマクラーレンからメルセデスへと移籍し、ロズベルグのチームメートとなったころからその関係に変化が生じ始めていた。
そして現行PU(パワーユニット)が導入され、メルセデスAMGが最強チームとなった2014年からはこの2人によるチャンピオン争いが展開されることになり、2人の関係は友人同士から倒すべき敵同士へと変わっていった。
その激しい争いは2016年まで3年にわたって繰り広げられ、時にはコース上で2人が同士打ちを演じるようなことも起きていた。
■2人は強くいがみ合っていたとニキ・ラウダ
そうした2人の関係を見てきたメルセデスAMGの非常勤会長ニキ・ラウダは、ハミルトンと現在のチームメートであるバルテリ・ボッタスの関係はロズベルグのときとはまったく違うと『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』に次のように語った。
「ハミルトンとボッタスは友人同士ではない」
「だが、お互いにいがみ合ってなどはいないよ。かつてルイスとニコはそうだったがね。あれはチームにとってはよいことではなかったが、彼らにとってはよいことだったのかもしれないよ。そのために彼らはもっと速く走ろうと頑張っていたからね」
■いつかまた仲直りしたいとロズベルグ
ロズベルグが2016年のF1王座についてからすでにほぼ1年近くが経過。今季はすでにハミルトンが通算4回目となるタイトル獲得を第18戦のメキシコGPで確定させている。
ロズベルグは、そろそろハミルトンと仲直りができればうれしいと思うと『ZDF(第2ドイツテレビ)』に次のように語った。
「僕たちは、以前はすごくいい友人同士だったんだ。今後またそうなる可能性もあるよ」
「僕たちはもうライバル同士ではないし、僕はもう完全に引退してしまった。だから、少し時間もたったし、また仲良くすることができない理由などないと思っているよ」
だが、モナコの同じマンションに部屋を持っているにもかかわらず、ハミルトンからは今年になってもいまだに電話さえかかってこないとロズベルグは語り、次のように付け加えた。
「僕たちはまだそういう時期には来ていないということだね」
■今ではハミルトンのことがカッコイイと言えるロズベルグ
だが、32歳となった元F1チャンピオンのロズベルグは、ハミルトンのドライビングやライフスタイルを非常にリスペクトしていると主張している。
「彼は自分のやり方でやっているし、僕もそのことをすごく尊敬しているよ。レベルもすごく高いしね」
そう語ったロズベルグは、次のように付け加えた。
「彼の言動を好ましく思わない人もたくさんいるよ。見解の相違ってやつだね。だけど、僕は彼が自分のやりたいことをやっている姿はクールだと思っているよ」