2017年のF1ドライバーズタイトルはルイス・ハミルトン(メルセデスAMG)の手に収まった。これで2018年には通算5度目のタイトル獲得を目指すことになるハミルトンだが、来年のタイトル争いは今年ほど簡単にはいかないかもしれない。
2017年シーズン前半はフェラーリのセバスチャン・ベッテルがランキングトップに立つなど、最後の最後までハミルトンとのタイトル争いがもつれるのではないかと期待されていた。
だが、シーズン後半に入るとフェラーリが失速。ハミルトンはその間にそつなく優勝を重ねてベッテルとの差を開き、ついに先週末のメキシコで通算4度目となるタイトルを手中に収めている。
■ハミルトンにとっては楽なシーズンだったとアロンソ
2005年と2006年にルノーで2年連続F1チャンピオンとなったものの、その後10年以上もタイトルに手が届かない状態が続いているフェルナンド・アロンソ(マクラーレン)は、ハミルトンにとって今季のF1ドライバーズタイトル争いは「楽なものだった」と見ている。
「彼(ハミルトン)にとってはすごく楽だったよね」
メキシコでタイトル獲得を決めたハミルトンについてそう語ったアロンソは次のように続けた。
「彼には敵がいなかった。昨年は最終戦までニコ(ロズベルグ)を追いかけなくてはならなかったけれど、今年は最後から数えて4レース目の時点でメルセデスAMGがコンストラクターズタイトルを決めたし、ハミルトンは最後から3番目のレースでチャンピオンになった」
「まさに楽勝だったね。だけど、僕たちがマクラーレン・ルノーでそれを変えられることを期待しているよ」
■ハミルトンもマクラーレンの強さが分かったはず
そのアロンソは先週末のF1メキシコGP決勝で、1周目のパンクにより順位を下げたハミルトンと展開したバトルについて言及しながら次のように語った。
「ルイスも今ではマクラーレンがコーナーでどれほど強いかということが分かったと思うよ」
「来年はもっと彼とレースをする機会が増えることを願っているよ」
■ハミルトンの方がよくやったということだとベッテル
一方、メキシコGP決勝を4位で終え、今季のタイトル獲得チャンスが消滅したベッテルは、今年はハミルトンの方が「全般的にうまくやった」と敗北を受け止めるコメントを行っている。
だが、この結果は単にハミルトンの方がいいクルマを手にしていたことによるものだと思うかと質問されたベッテルは、「そういう質問は好きじゃないな」と答え、次のように付け加えた。
「僕はたとえどんな形であれ、彼の成功を軽視するようなことをしたいとは思わないよ」
■より厳しい2018年を予想するハミルトン
一方、現役ではベッテルと並ぶ通算4度のF1タイトルを手にしたハミルトンだが、昨年までチームメートだったロズベルグのように突然F1を辞めるようなことはないと次のように語った。
「もちろん、この4回のタイトル獲得を機にニコがやったように辞めてしまうというような楽なこともできるだろうね」
「だけど、僕は自分がもっとやれると思っているんだ。さらに難しくて困難なときが僕を待ち受けているだろうけれど、僕はそれに立ち向かいたいと思うし、そうすることが大好きなんだ」
■2018年のF1は群雄割拠に?
確かに、2018年のタイトル争いは今年よりもさらに激化する可能性があるのは確かだろう。
フェラーリとベッテルも2018年こそはとさらに奮起するだろうし、メキシコGPで圧勝を遂げたレッドブルのマックス・フェルスタッペンがチャンピオン候補に名前を連ねてくる可能性も大だ。さらに、レッドブルと同じルノーエンジンを積むマクラーレンのアロンソが一気にタイトル争いにからんでくる可能性も否定はできない。
「三つどもえの戦いを歓迎するし、ルノーエンジンを得たマクラーレンが加わってくる可能性もあるだろうね」
そう語ったメルセデスAMGのトト・ヴォルフ(エグゼクティブディレクター)は次のように付け加えた。
「明らかに、フェルスタッペンは将来ある人材だし、非常に速いクルマを持っているよ」
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