かつてベネトンとルノーのチーム代表を務めていたフラビオ・ブリアトーレが、2018年シーズンに向けてキミ・ライコネンとの契約を延長したフェラーリの判断に疑問を呈した。
■今季もメルセデスが制したコンストラクターズタイトル
先週末にテキサス州オースティンで開催された今季のF1第17戦アメリカGPにおいて、あと3レースを残す時点でメルセデスAMGが2014年以来4年連続でのF1コンストラクターズタイトル獲得を確定した。
だがブリアトーレは、もしフェラーリが本気でコンストラクターズタイトルを取りたいと思うのであれば、セバスチャン・ベッテルとライコネンというペアで戦うのはあまりいい戦略だとは言えないと考えている。
ブリアトーレはルノーのチーム代表を務めていた2005年と2006年にフェルナンド・アロンソ(現マクラーレン)を擁してドライバーズタイトルとコンストラクターズタイトルを獲得したという実績を持っている。ちなみに、このときルノーでアロンソのチームメートを務めていたのはジャンカルロ・フィジケラだ。
「ライコネンではコンストラクターズタイトルを取ることがすごく難しいのは明らかだよ」
スペインの『Marca(マルカ)』にそう語った67歳のブリアトーレは次のように付け加えた。
「勝利するためには、競争力のあるドライバーが2人必要だ。そして、そのうちどちらがドライバーズタイトルを獲得するにふさわしいかを見極めなくてはならないんだ」
現在、ライコネンはトータル163ポイントでドライバーズランキング5番手に位置している。チームオーダーによりベッテルに順位を譲ったレースがいくつかあったのは事実だが、仮にライコネンがランキング3番手につけているバルテリ・ボッタス(メルセデスAMG)と同じくらいのポイント(現在244ポイント)を獲得していれば、恐らくはコンストラクターズタイトル争いはまだ決着を見ていなかったはずだ。
■フェラーリとメルセデスAMGの差はシーズン中の開発力
一方、今季のドライバーズタイトルもメルセデスAMGのルイス・ハミルトンが獲得するのはほぼ確定的状況だ。現在ランキングトップのハミルトンと2番手のベッテルの差は66ポイント差に開いている。仮にベッテルが残りの3レースですべて優勝したとしても、ハミルトンがタイトルを獲得するにはあと9ポイントの獲得で十分な状態となっている。
つまり、今週末に行われるメキシコGP(29日決勝)でベッテルが優勝しても、ハミルトンが5位以上でフィニッシュすればそこで今季のタイトルのゆくえが決することになる。仮にベッテルが2位であれば、ハミルトンは9位以上でOKという状態だ。
ブリアトーレは、今季はハミルトンがタイトル獲得にふさわしい働きをしたと考えている。
「レースでは勝つことも負けることもある。だが、タイトル争いはどちらかと言えばジロ・デ・イタリアに似ているよ」
毎年5月にイタリア全土で開催される自転車ロードレースを引き合いに出したブリアトーレは、タイトル獲得のためには長いシーズンを最後まで戦いきる力が必要だと次のように付け加えた。
「ルイスとメルセデスAMGがずっと最強だったからね。序盤こそフェラーリがすごくうまくやった。だが、私が思うにメルセデスAMGのほうが開発においていい仕事をしたようだね」