2018年にはトロロッソのフルタイムドライバーとなることがほぼ確実な状況となっているピエール・ガスリーが、今年日本のスーパーフォーミュラでホンダと仕事をした経験を生かすことができるはずだと語った。
今季のF1第15戦マレーシアGPと第16戦日本GPにダニール・クビアトに代わって出走したガスリーだが、今週末に行われる第17戦アメリカGP(22日決勝)には出走しないことになっている。
当初、ガスリーがアメリカGPでも走るという話もあったが、来季からトロロッソのエンジンパートナーとなるホンダからの要請もあり、今週末は日本でタイトル獲得がかかったスーパーフォーミュラ最終戦に出場することになったものだ。
現在ガスリーは2017年シーズンのスーパーフォーミュラにおいてトップからわずか0.5ポイント差のランキング2番手につけており、22日(日)に2レースに分けて行われる最終ラウンドにおいて逆転でのタイトル獲得が期待されている。
そのガスリーが母国フランスの『minute-auto.fr』のインタビューに答え、スーパーフォーミュラを通じて一緒に仕事を行ったホンダのことなどについて語った。
■日本での経験が来季の役に立つはず
「もちろん、彼ら(ホンダ)がトロロッソと一緒にやるようになれば、すでにホンダと仕事をした経験があることは僕にとって大きなプラスになるよ」
そう語ったガスリーは、日本人の仕事に仕方などについての印象を次のように続けた。
「彼らの文化がかなり違うのはもちろんだけど、コミュニケーションや働き方も異なっているんだ」
「今季も彼らとどうすればうまくやることができるのかが分かるまで少し時間がかかったけれど、今ではよりよく意思疎通するための方法も分かってきたよ」
「彼らは厳し過ぎたり、直接的過ぎたりすることには慣れていないんだ」
「日本人は非難されることなく、建設的なやり方で意思疎通を図るのが好きなんだ。彼らは、合意に達していないときでさえすべてに対してイエスという傾向がある」
「だから、自分と同じ考えなのかということを確認するために、1回だけじゃなく、時には10回もチェックする必要があるのさ」
「この経験をもとに、僕は来年F1で彼らと一緒に進化していくチャンスを得たいと願っているよ」
21歳のガスリーはさらに、ホンダのような日本企業では意思決定にも時間がかかることが多いと次のように続けた。
「彼らは上下関係をすごく重要視するんだ。だからボスがゴーサインを出さない限り何も始まらないんだ。明らかに意思決定は僕たちほど速くはないね」
「僕は日本で彼らとともに本当にいい1年を過ごしてきた。僕は優勝することができたし、彼らといい関係を築くこともできた」
「今では彼らから素晴らしいサポートを受けていることも分かっているし、それが僕にとって大きな喜びなんだ。シーズンが始まったころは必ずしもそうではなかったからね」
■トロロッソ・ホンダが成功すると信じている
ガスリーはさらに、残念な結果に終わってしまったマクラーレンとの3年間に及んだプロジェクトを経て、ホンダがトロロッソとの新しいプロジェクトを成功させようと決意しているのは間違いないと次のように続けた。
「うん、僕はもちろんこのプロジェクトを信じているよ」
「彼らは自分たちに成功できるだけの力があることを証明したいと望んでいる完全主義者なんだ」
「マクラーレンとの関係が困難なものとなったことで、恐らく彼らにとっては名誉にかかわる問題なんだと思う」
「過去2年間と比べれば、最近の6か月における彼らの進歩には目覚ましいものがあった」
「もちろん、ほかのエンジンメーカーとの差を縮めて追いつくことは一夜のうちにできることじゃないよ。だからトロロッソとホンダが2018年序盤にどういう位置にいるのか様子をみていくことになる。時間はかかるだろうね」
「でも、彼らは大金をつぎこんでいるよ」
「僕はエンジニアではないし、メルセデスがどうやっているのかも分からない。だけどホンダは魔法のレシピを見つけるために懸命に取り組まないとならないね」
そう語ったガスリーは、次のように付け加えている。
「僕にできることは、僕たちのパッケージを最適化していくために可能な限り彼らとのいい関係を保ち、建設的であり続けることだよ。自分たちが手にしているものを最大限に利用しながらね」