ウィリアムズのチーフテクニカルオフィサーを務めるパディ・ロウが、ウィリアムズを再びトップの座に導くために全力を尽くすと語った。
1975年からF1に参戦しているイギリスのウィリアムズは、自動車メーカーではないプライベートチームながら、これまでに9度F1コンストラクターズタイトルを獲得したことがある名門チームだ。
しかし、1997年にジャック・ビルヌーブを擁してダブルタイトルを獲得して以来タイトルからは見放されている。そればかりか、年々力を落としてしまったウィリアムズは2006年ころからは下位グループに定着するようになってしまっていた。
■再びスランプに陥ったウィリアムズ
ところが、2014年に現行パワーユニットが投入されると、メルセデスパワーユニットのおかげもあって一気にランキング3位に浮上。2015年も2年連続で3強チームの一角をくずしてランキング3位で終えている。
しかし、2016年シーズンには3強チームばかりかフォース・インディアにも抜かれて5位に転落。そして今季は現時点で5番手につけているものの、最後までその順位を守り切れるかどうかが危ぶまれる状況となっている。
■名門復活を委ねられたロウ
ウィリアムズではそうした状況を打破すべく、今季は昨年まで最強メルセデスAMGの技術トップの座にあったロウを獲得している。
ロウはもともと1987年にウィリアムズでF1の仕事に飛び込んだ人物だ。1993年にマクラーレンに移籍して開発部門を率いると、2013年にはメルセデスAMGの技術トップとして迎え入れられ、2014年から3年連続でのF1ドライバーズタイトル、コンストラクターズタイトル獲得に貢献している。
古巣に帰ったロウは、ブラジルの『Globo(グローボ)』にウィリアムズを再びトップチームの座に引き上げることが目標だと語ると、すでに2018年に向けてのプロジェクトを精力的に進めていると次のように続けた。
「私はすでに、2018年に向けたプロジェクトのやり方にいくつか変更を加えたし、現時点では今の状況には満足しているよ」
「私はこの仕事が大好きなんだ」
「私はこれまで常にやとわれの身だった。だが今はウィリアムズをまた勝利が狙えるチームにするためにプロジェクト全体を管理するチャンスを与えられたんだ。単なるテクニカルディレクターではなくパートナーとしてね」
■ウィリアムズにはあらゆるものが必要
ウィリアムズが再び勝てるチームになるために必要なものは何かと質問されたロウは、「管理者として働く者の視点から言えば、素晴らしいエンジニアたちや効率的なサーキットチームなどありとあらゆるものが必要だよ」と答え、次のように付け加えた。
「これらがうまくそろえば、もっと投資家も参入してくるだろうし、より大きな予算だって組めるようになるはずさ」