前F1最高責任者のバーニー・エクレストンが、新F1オーナーのリバティ・メディアは自分がF1レースに顔を出すことを快く思っていないようだと語った。
長年にわたってF1最高権威の座にあったエクレストンだが、F1の新オーナーとなったリバティ・メディアによって実権を奪われ、代わってチェイス・キャリーが新F1最高責任者に就任している。
今季、何度かF1グランプリに顔を出したこともあるエクレストンだが、最近はグランプリ会場でその姿を見かけることはあまりなくなっている。
■レース会場にエクレストンの居場所はなし
そのエクレストンは、現在の妻の出身地で行われる第19戦ブラジルGP(11月12日決勝)には出向くつもりだとしながらも、『Daily Mail(デイリー・メール)』に次のように語った。
「チェイスがオフィスにいる女の子たちの1人にメッセージを送って、私に対しサーキットにはあまりたくさんのオフィスがないと伝えてきたんだ。あるのはレース主催者が彼らのために用意したものだけだとね」
「つまり、基本的に彼らとしては私にレースに来て欲しくはないということさ。私に直接そう言えばもっと簡単だっただろうにね。ともあれ、私は彼らの願いを聞き入れたよ」
■スイスで新たな人生をスタート
来週には87回目の誕生日を迎えるエクレストンは、長年にわたって携わってきたF1最高責任者としての仕事から降りるのはつらかったと認めている。だが、今後はロンドンからスイスに転居して新たな人生を始めるつもりだという。
ロンドンを去るのはつらいのではないかと質問されたエクレストンは次のように答えた。
「確かに、F1にかかわることができないのは少しばかりつらいよ。だが、それに慣れていかないとね」
■キャリーを気の毒に思う
だが、エクレストンは、自分の後任として新たなF1最高責任者となったキャリーは予想していなかったほどの困難を抱えているはずだと考えているようだ。
「彼ら(リバティ・メディア)は、私が見る限り、まだ何もやっていないよ」
「私はだまっていろんなことを成し遂げてきた。彼らがやっているのは話すことだけだ。例えば、彼らはアメリカで6レースをやりたいと言った」
「チェイスは、何をやる必要があるかということについて、あらかじめいくつかアイデアを持っていた。だが、今それにとりかかろうとしているものの、それは彼が考えていたほど簡単なことではないんだ」
そう語ったエクレストンは、次のように付け加えた。
「だから、私は彼を気の毒に思うよ」