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2021年以降のF1エンジン案が10月末に明らかに

2017年10月11日(水)16:52 pm

F1オーナーのリバティ・メディアおよびF1統括団体であるFIA(国際自動車連盟)は、2021年以降のF1エンジンレギュレーション案を10月末に各F1チームに提示することになるようだ。

2014年に導入された1.6リッターV型6気筒エンジンと運動エネルギーや熱エネルギーの回生装置を組み合わせた現行F1パワーユニットは2020年までは同一規格で継続されることが契約で定められている。

だが、このあまりにも複雑なエンジンが近年のF1人気低下の大きな原因のひとつだと考えられている。最強エンジンを持つメルセデスAMGが圧倒的な支配を続けてチーム間の格差を広げるとともに、音も小さくなってしまったことでファンにとっての魅力も薄れてしまったと考えられているためだ。

■ファンやドライバーが求めるエンジンをとベッテル

レッドブルのモータースポーツアドバイザーを務めるヘルムート・マルコは、2021年以降は以前の自然吸気エンジンに戻すことを望んでいると『Speedweek(スピードウィーク)』に次のように語った。

「私個人としては、まっさらな白紙に描くとすれば、ファンが望んでいる音とパワーを持つ12気筒エンジンにしたいところだね」

2010年から2013年までレッドブルで4年連続F1チャンピオンに輝いたセバスチャン・ベッテル(現フェラーリ)も同意見のようだ。

「ダウンサイジングが世界的潮流だ。だけど、僕たちがこのスポーツとショーにおいて何に焦点を当てるべきなのかということに関して言えば、そうしたトレンドに対してもっといい意見もあると思うよ」

『Playboy(プレイボーイ)』にそう語ったベッテルは、次のように付け加えた。

「最近のF1マシンはもはや大きな音ではなくなったし、これは観客だけでなく僕たちドライバーにとっても歓迎されるものではないと僕は信じているよ」

■独立系エンジンメーカー参入も必要だとレッドブル

しかし、2021年以降のF1エンジンも現行のハイブリッド方式をベースとするものとなるのは間違いないようだ。これまでに伝えられているところによれば、音質の問題改善などのために現在のシングルターボをツインターボ化する案が有力視されているものの、運動エネルギー回生装置であるMGU-Kや熱エネルギー回生装置のMGU-Hもこれまで同様に採用されることになると考えられている

だが、マルコは2021年以降のエンジンルールは、現在のような大規模自動車会社だけではなく、独立系エンジンメーカーが挑戦可能なものとしていくことが重要だと次のように主張している。

「現在の依存状況は、我々としては受け入れがたいものだ。我々にはメルセデスやフェラーリと同等のエンジンパワーを手にすることはできないんだからね」

「F1は技術的なものを追い求めるよりも、もっと消費者目線に立つべきだよ。人々がiPhoneを買うのは、その中にどんな技術が使われているのかを知りたいからではなく、簡単に使えるからなんだ」

■F1改革を進めるリバティ・メディア

ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』は、2021年からのF1エンジンルールにおいてもうひとつの課題となっているコスト削減に関しては、一定のパーツを標準化することで解決しようという動きがあると伝えている。

さらに、今年からF1の新オーナーとなったリバティ・メディアでは、これまでF1の意思決定機関として存在していたF1委員会とストラテジー・グループの廃止も提案することになると考えられている。

そして、11月7日(火)にはF1チームの年間予算に上限値を設ける計画も発表されることになるようだ。この予算制限に関しては2019年からの導入が目指されているという。

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