最近、ロバート・クビサのマネジメントチームに加わったニコ・ロズベルグが、クビサがF1アメリカGPでトロロッソから出走することはないと語った。
■アメリカGPだけに出走するドライバーを探すトロロッソ
2018年シーズンにはルノーへレンタル移籍されることが確定していたレッドブル所属ドライバーのカルロス・サインツ(トロロッソ)だが、一足早く来週末にテキサス州オースティンで開催されるアメリカGPからルノーに移ることがこのほど正式に発表された。
当初トロロッソではアメリカでダニール・クビアトを復帰させ、第15戦マレーシアGPと第16戦日本GPでステアリングを握ったピエール・ガスリーとコンビを組ませると発表していたものの、実はこれが間違いで、実際にはガスリーはアメリカGPと同じ日程で日本の鈴鹿で開催されるスーパーフォーミュラ最終戦に参戦することが確認されている。
つまり、トロロッソではガスリーの代わりにアメリカGPだけに出走するドライバーを探す必要に迫られているのだ。
■クビサの名前も候補の一角に
そして、うわさでは来季ウィリアムズのシート獲得を目指しているクビサがガスリーの代役としてトロロッソで7年ぶりとなるF1出走チャンスをつかむのではないかとも言われている。
だが、ドイツの『Auto Motor und Sport(アウト・モートア・ウント・シュポルト)』が報じたところによれば、クビサのマネジメントチームは実際のところ、ガスリーの代役としてクビサをアメリカGPで走らせることは計画していないようだ。
■リスクは避けるべきだとロズベルグ
最近、クビサのF1復帰を支援しているロズベルグも、無理をしてアメリカGPに出走すれば、それはクビサにとって大きなリスクとなる可能性があると考えている。
2016年に初のF1王座につき、そのまま引退してしまったロズベルグは、クビサのアメリカGP出走について次のように語った。
「テストもしていないクルマで深みにはまってしまえば、負けがあるだけさ。ウィリアムズでのチャンス獲得を目指し続けるほうがいいよ」
■クビサのF1復帰には経済的リスクも?
伝えられるところによれば、クビサのF1復帰には大きな経済的リスクも伴うようだ。
実はクビサは、2011年のF1シーズン開幕前に起きたラリー事故で負ったけがにより、今後永久にF1ドライバーとして復帰できないという診断のもとに相応の保険金を受け取っていたらしいのだ。
つまり、今後クビサがF1復帰を果たすことになれば、その保険金を返還しなくてはならなくなるのだという。そして、たとえ1レースだけの復帰であったとしても保険金返還義務が生じてしまうようだ。
そうした条件のもとでトロロッソからアメリカGPだけにエントリーを行うのは確かにリスクが大きすぎるだろう。