2017年のF1ドライバーズタイトル獲得までいよいよ秒読み段階に入ってきたルイス・ハミルトンが、残り4レースに向けてPU(パワーユニット)の信頼性に不安を感じてはいないと主張した。
■ハミルトンにPU交換グリッド降格の可能性?
先週末に行われたF1日本GPにおいてポール・トゥ・ウィンを飾ったハミルトンだが、先頭でチェッカーフラッグを受けた後で無線を通じてPUから変な振動を感じたとチームに伝えていた。
今年はドライバー1人あたりの年間PUエレメント使用可能台数が4台までと定められており、これを超えた場合には相応のグリッド降格ペナルティーを受けることになる。
現在ハミルトンはPUエレメントのうちICE(内燃機関)、TC(ターボ)、MGU-H(熱エネルギー回生装置)、MGU-K(運動エネルギー回生装置)については年間の使用台数限度いっぱいの4台目を使用している。つまり、もし今後これらのエレメントを交換すればかなり大きなグリッド降格を受けることになってしまうわけだ。
4レースを残す時点でランキング2番手のセバスチャン・ベッテル(フェラーリ)に59ポイントもの大差をつけたとはいえ、PUエレメント交換によるグリッド降格ペナルティーを受けることになれば、フェラーリに形勢逆転のチャンスを与えることにもなりかねない。
■PUには心配はないとメルセデスAMG
だが、メルセデスAMGを率いるエグゼクティブディレクターのトト・ヴォルフは、今回のPU問題について次のように語った。
「最初からルイスは非常にスムーズなレースをしていたし、エンジンやタイヤをセーブしていたよ。だが、終わりに近づいたときにいくつかの困難も抱えたんだ」
「それはトラブルのようなものではなく、ヴァーチャル・セーフティカーの後でタイヤがまたすぐにうまく機能しなかっただけなんだ」
■忘れないうちに気付いたことを報告しただけ
日本GP決勝で無線を通じてPUの異常を訴えていたハミルトンだが、やはり今後に向けて不安を抱えているわけではないと主張している。
「いくつか感じたことがあって、後で言うのを忘れてしまうかもしれないからあのとき指摘しただけなんだ」
そう語ったハミルトンは、次のように付け加えた。
「正直な話、エンジンに何か問題があるなんて思っていないよ。いろいろ異なる設定に変えるとターボが変な音を出したり、異なる振動が発生したりするものなんだ。だから、何かおかしいと思っているわけじゃないよ」