2018年には年間のPU(パワーユニット)使用台数ルールが今季よりもさらに厳しくなってしまうようだ。
年間20戦で争われる今季のF1は、年間に使用できるPUエレメントはドライバー1人あたり4台までと定められている。そして2018年にはその台数制限がさらに厳しくされることになる。
■必ずしも評判がよくはない現行ルール
もともと、こうしたルールが定められ、なおかつ毎年使用可能台数が減らされるという規定が設けられているのは、長持ちするエンジンを製造することによりコスト削減につなげようという目的のためだ。
しかし、今季もすでに現時点で20名中8名のドライバーが規定数を超えるエレメントを投入したとしてグリッド降格ペナルティーを受けており、投入されるエレメント数によっては一度に数十グリッドの降格ペナルティーが下されるなど、非常に分かりづらいルールとなっているのは確かだ。
さらに、直接的な責任のないドライバーがグリッド降格ペナルティーを受けることはそのドライバーばかりでなく、ファンにとっても受け入れがたいルールだという意見もある。
レッドブルのチーム代表を務めるクリスチャン・ホーナーはこの問題について次のように語った。
「私は以前行われた会議でこれを変えようと試みたよ。だが、誰からも支援を受けることはできなかった」
■2018年にはさらに厳しい条件に
そして、先週開催された世界モータースポーツ評議会において、2018年には年間使用可能PU台数を4から3に減らすという本来予定されていたルールが正式に承認されたと伝えられている。
さらに、『La Gazzetta dello Sport(ガゼッタ・デロ・スポルト)』は、「2018年にはMGU-K、バッテリー、ECUはたった2つしか使えなくなる」と報じている。
現在、F1パワーユニットの構成エレメントはICE(内燃機関)、TC(ターボチャージャー)、MGU-H(熱エネルギー回生装置)、MGU-K(運動エネルギー回生装置)、ES(エネルギー貯蔵装置/バッテリー)、CE(電子制御ユニット)の6種類に分類されている。
2017年はすべてのエレメントについて年間使用台数が4台までとされているが、2018年からはレース数は今季よりもひとつ増えて全21戦となるが、ICE、TC、MGU-Hはそれぞれ3台、MGU-K、ES、CEはそれぞれ2台までしか認められなくなり、それを超える数のエレメントが投入された場合には相応のグリッド降格ペナルティーが科されることになるということだ。
ちなみに、今年すでに規定数以上のエレメントを投入したメーカーは、ホンダとルノーだけとなっており、メルセデスとフェラーリは残りのレースもペナルティーを受けることなく乗り切ることができると考えられている。
ルールが一層厳しくなる2018年シーズンに向け、特にホンダとルノーにとっては、パフォーマンスとともにPUの信頼性向上が重要な要素となるのは間違いなさそうだ。