元F1ドライバーのゲルハルト・ベルガーは、来年からのトロロッソ・ホンダに期待を寄せている。
F1第14戦シンガポールGPで、ホンダがマクラーレンとの提携を解消し、来年からはレッドブルの姉妹チームであるトロロッソと組むことが発表された。
■レッドブルのF1撤退を否定するベルガー
レッドブル総帥のディートリッヒ・マテシッツは、ルノーエンジンのパフォーマンス不足からF1への不満を募らせ、所有する2チームから距離を取りつつあるのではないかとうわさされている。
しかし、レッドブルが最初にサポートしたドライバーであり、トロロッソのチーム代表を務めた経験もあるベルガーは、オーストリアのテレビ局『ORF』に次のように語った。
「彼(マテシッツ)がF1に飽きているというのは間違いだと思う」
「レッドブルは今も非常に強いチームだ。この苦しい時期にもかかわらず、ほとんど誰もチームを離れていない。特にトップにはニューイがいる」
「タイトル獲得のチャンスをもたらすようなエンジンがないことは、もちろん長期的にフラストレーションのたまることではあるけれどね」
■ホンダとの提携は新時代の幕開け
しかし、マテシッツがF1から手を引くとはベルガーは考えていない。
「レッドブルは常に辛抱強かった。今こそそれが必要とされている」
「常に順風満帆とはいかないよ」
「今は苦しい時期だが、トンネルの先には光が見えている。ホンダがトロロッソに加わったことがその幕開けだ」
ホンダはF1に復帰して以来3年間苦戦を続けている。しかし、ベルガーはホンダへの信頼を示した。
「私はホンダを信じている。社内にはスポーツに挑む文化や十分なリソースがある。そこにレッドブルのメンタリティーを持つチームが加わるんだ」
「私には、ホンダが以前の調子を取り戻して、最高のエンジンを作り上げる姿が想像できるよ」
■アストンマーティンのF1参入はない
レッドブルには、スポンサーのアストンマーティンとの関係を強化する選択肢もある。
しかし、現在の複雑なパワーユニットのルールでは、アストンマーティンがF1に参入することはないというのがベルガーの見方だ。
「新しいエンジンレギュレーションを待つしかない」
「それまでは、現在の非常に難しいエンジンに手を出して痛い目を見ようと思う者はいないよ」
「アストンマーティンにそれだけのリソースや可能性があるか? 分からないが、私は疑わしいと思うね」